有茎分節腸管内肝組織片充填式補助肝臓の開発(第2報) ―大網共充填の効果

「要旨」【目的】効果的な有茎分節腸管内肝組織片充填式補助肝臓の開発を目的にする. 原法では一定期間を過ぎると充填した肝組織片が次第に壊死に陥ってしまった. 本研究では組織片が長期生着する方法の開発を目指した. 【対象と方法】雄性ウイスター系ラット(300-400g)から2-3cmの分節空腸を単離, その粘膜を削除した後, 同じラットから摘出した左葉をミンチし大網と共に共充填し, 決められた期間に犠牲死させ生着状態を組織学的に検討した. 【結果】充填25日後でも肝組織片は互いに融合し増殖を続けた. 組織学的に壊死融解は認められなかった. 更に, 原法では殆どが壊死してしまう充填60日後, 90日...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2013-08, Vol.63 (3), p.223-232
Hauptverfasser: 小暮公孝, 石崎政利, 根本雅明, 桑野博行, 小島至, 磯村寛樹, 星野洪郎, 幕内雅敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【目的】効果的な有茎分節腸管内肝組織片充填式補助肝臓の開発を目的にする. 原法では一定期間を過ぎると充填した肝組織片が次第に壊死に陥ってしまった. 本研究では組織片が長期生着する方法の開発を目指した. 【対象と方法】雄性ウイスター系ラット(300-400g)から2-3cmの分節空腸を単離, その粘膜を削除した後, 同じラットから摘出した左葉をミンチし大網と共に共充填し, 決められた期間に犠牲死させ生着状態を組織学的に検討した. 【結果】充填25日後でも肝組織片は互いに融合し増殖を続けた. 組織学的に壊死融解は認められなかった. 更に, 原法では殆どが壊死してしまう充填60日後, 90日後でも肝組織片の一部が遺残していた. これは共充填した大網の効果であると考えられた. 【結語】腸管グラフト内への肝組織片大網共充填法は充填肝組織片の生着期間を延長した. しかし, 腸管グラフトの捻転防止等の術式の改良が今後の課題である.
ISSN:1343-2826