幽門狭窄を呈した胃癌に対しノンカバード,カバードステントの併用が緩和的治療に有用であった1例

症例は62歳の男性で, 食欲不振・腹部膨満感・黒色便・めまいを主訴に来院した. 上部消化管内視鏡検査で胃幽門前庭部に全周性狭窄を呈した3型腫瘍を認め, CTで傍大動脈リンパ節転移があり, 胃癌Stage IVと診断した. 通過障害による摂食不良のため, 入院してパクリタキセルによる化学療法を開始したが, 効果はなかった. 通過障害による嘔吐が続き, 外科的バイパス術を希望しないため, ステント治療を行った. WallFlex™ ノンカバードステント留置を施行したが改善せず, ステント内にUltraFlex™ カバードステントを再留置することにより摂食可能となった. その後化学療法を施行したが,...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2012/02/01, Vol.62(1), pp.53-57
Hauptverfasser: 倉林, 誠, 棚橋, 美文, 岡野, 孝雄, 大木, 茂, 横江, 隆夫, 須納瀬, 豊, 竹吉, 泉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は62歳の男性で, 食欲不振・腹部膨満感・黒色便・めまいを主訴に来院した. 上部消化管内視鏡検査で胃幽門前庭部に全周性狭窄を呈した3型腫瘍を認め, CTで傍大動脈リンパ節転移があり, 胃癌Stage IVと診断した. 通過障害による摂食不良のため, 入院してパクリタキセルによる化学療法を開始したが, 効果はなかった. 通過障害による嘔吐が続き, 外科的バイパス術を希望しないため, ステント治療を行った. WallFlex™ ノンカバードステント留置を施行したが改善せず, ステント内にUltraFlex™ カバードステントを再留置することにより摂食可能となった. その後化学療法を施行したが, 初回ステント留置後11ヶ月に癌死した. 幽門狭窄を呈した切除不能胃癌の癌緩和的治療の選択肢として, ステント治療を検討すべきであると考える.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.62.53