3. 放射線治療を行った木村病の2例

木村病は軟部組織中に無痛性で発育緩慢な腫瘤を形成する稀な疾患である. 病理学的にはリンパ濾胞の増生と好酸球浸潤を伴う炎症性肉芽が特徴的である. 血液学的には, 好酸球増多やIgE高値を伴う. 治療法は外科的切除, 薬物療法, 放射線治療が行われている. 今回我々は, 放射線治療が奏功した木村病の2例を経験したので報告する. いずれの症例も両側頸部に対し30.6Gy/17frの照射を行った. 症例1: 40代男性. 約4ヶ月前から右頸部に腫脹があり, リンパ節生検で木村病と診断された. プレドニン内服を開始したが, 内服量の増減に伴い腫瘍径も増減を繰り返した. 3ヶ月間内服を続けたが寛解には至ら...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2011, Vol.61 (3), p.433-434
Hauptverfasser: 佐藤浩央, 玉木義雄, 岡本雅彦, 樋口啓子, 工藤滋弘, 牛島弘毅
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:木村病は軟部組織中に無痛性で発育緩慢な腫瘤を形成する稀な疾患である. 病理学的にはリンパ濾胞の増生と好酸球浸潤を伴う炎症性肉芽が特徴的である. 血液学的には, 好酸球増多やIgE高値を伴う. 治療法は外科的切除, 薬物療法, 放射線治療が行われている. 今回我々は, 放射線治療が奏功した木村病の2例を経験したので報告する. いずれの症例も両側頸部に対し30.6Gy/17frの照射を行った. 症例1: 40代男性. 約4ヶ月前から右頸部に腫脹があり, リンパ節生検で木村病と診断された. プレドニン内服を開始したが, 内服量の増減に伴い腫瘍径も増減を繰り返した. 3ヶ月間内服を続けたが寛解には至らず, 放射線治療を行った. 治療期間中から腫大リンパ節は縮小した. 症例2: 50代男性. 約20年前と約2年前に木村病と診断された事がある. 8ヶ月前から左耳下部腫瘤が増大したため, 再度生検したところ木村病であった. 患者が放射線治療を選択したため, 放射線治療を行った. 治療効果は良好であった.
ISSN:1343-2826