4. かんわ支援チームの介入を中止した事例の検討

【目的】2005年4月に「かんわ支援チーム(以下, チーム)」を立ち上げ, 現在まで5年間活動してきた. 主治医から依頼のあった患者(家族)が了解すれば, 基本的に退院まで主治医と一緒に患者を支援していく. しかし, チームの介入を途中で中止することがある. 中止の理由およびその対策を検討した. 【結果】2006年4月から2010年3月までの4年間, チームが介入した患者は1,088名であった. その期間に, 介入して中止となった患者は66名で, 平均年齢は63歳であった. 年度別にみると, 2006年度~2009年度にかけて中止患者は, 22, 21, 13, 10名で, 年々減少傾向にあっ...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2011-02, Vol.61 (1), p.84-84
Hauptverfasser: 田中俊行, 春山幸子, 久保ひかり, 小保方馨, 土屋道代, 中井正江, 須藤弥生, 町田裕子, 春山滋里, 鈴木大介, 林昌子, 山本淳子, 岩田かをる, 阿部毅彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】2005年4月に「かんわ支援チーム(以下, チーム)」を立ち上げ, 現在まで5年間活動してきた. 主治医から依頼のあった患者(家族)が了解すれば, 基本的に退院まで主治医と一緒に患者を支援していく. しかし, チームの介入を途中で中止することがある. 中止の理由およびその対策を検討した. 【結果】2006年4月から2010年3月までの4年間, チームが介入した患者は1,088名であった. その期間に, 介入して中止となった患者は66名で, 平均年齢は63歳であった. 年度別にみると, 2006年度~2009年度にかけて中止患者は, 22, 21, 13, 10名で, 年々減少傾向にあった. 関与日数はそれぞれ10, 26, 3, 13日で, 介入初日で中止した患者数は, 6, 2, 8, 2名であった. 診療科別は, 「中止の患者数/4年間の依頼患者数」の割合でみると, 皮膚科3名で60%であった. その他, 婦人科14名(19%), 血液内科5名(14%), 耳鼻咽喉科4名(11%)であった. 一番依頼の多い消化器内外科は22名(3%)であった. 中止の内容は多岐にわたるが, 「チームがいらない」が8, 12, 6, 7名で, 中止患者数に対する割合の4年間の平均は50%であった. その内訳として, 症状が緩和したため中止となった患者が, 中止患者全体の15%, 緩和医療に対する誤解や医療用麻薬の受け入れができない, チームの介入を必要としないなどが35%を占めた. また, 術前からの介入で手術後の介入を中止した患者が17%であった. 【まとめ】中止の理由は, (1)32%:症状が改善した. 手術前の痛みやスピリチュアルな痛みがあったが改善した. (2)48%:チームや医療用麻薬に対する抵抗感, 緩和医療に対する誤解があった. (3)5%:経済的問題があった. (4)15%:チームでなく専門的な精神科治療が必要であった. 他病状で意思疎通が困難であった. 意識レベルがすでに非常に悪い状態であった. の4つに分類した場合, (2)と(3)については, 改善の余地がある. (4)については, 介入方法(例えば家族ケアなど)について検討していくべきであろう. 【結語】年々中止が減少してきていることから, チームに柔軟性がでてきたことや, 緩和医療に対する患者説明や病院内での運営が円滑に行えるようになってきたことが考えられる.
ISSN:1343-2826