2. 新生児センター増床前後の入院状況の変化

桐生厚生総合病院新生児センターは, 1998年より, 新生児集中治療室(以下NICU)が6床, 回復期治療室(以下GCU)が11床で稼動していた. 群馬県内において病的新生児の病床数が不足しているため, 群馬県の補助の元, 2007年2月より増床のための改修工事を行なった. 2007年4月より, NICU 9床, GCU 12床に増床して稼動した. 増床前の5年間と増床後の2年間での, 入院状況の変化を報告する. 増床前5年間で年間平均166人の入院患者数が, 増床後2年間では年間平均213人にまで増加した(28%増加). 出生体重999g以下の入院患者数は平均で46%増加しており, 出生体重...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2010, Vol.60 (4), p.383-384
Hauptverfasser: 針谷晃, 津久井瑞江, 堀越隆伸, 中島久仁子, 西田豊, 釜萢桂子, 鳴海僚彦, 桑島信, 竹内東光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:桐生厚生総合病院新生児センターは, 1998年より, 新生児集中治療室(以下NICU)が6床, 回復期治療室(以下GCU)が11床で稼動していた. 群馬県内において病的新生児の病床数が不足しているため, 群馬県の補助の元, 2007年2月より増床のための改修工事を行なった. 2007年4月より, NICU 9床, GCU 12床に増床して稼動した. 増床前の5年間と増床後の2年間での, 入院状況の変化を報告する. 増床前5年間で年間平均166人の入院患者数が, 増床後2年間では年間平均213人にまで増加した(28%増加). 出生体重999g以下の入院患者数は平均で46%増加しており, 出生体重1000gから1499gの入院患者数は平均で41%増加した. 従来, 太田地区での病的新生児が入院していた総合太田病院新生児救命センターが2006年4月より病床数が減少した. 入院患者の入院時の現住所の分布では, この時期より太田地区からの入院患者が増加した. 人工呼吸管理などの治療を必要とすることが多い極低出生体重児について, 患者の現住所の分布では, 桐生地区, 太田地区, 館林地区のいわゆる東毛地域だけでなく, 県内, 県外の広範囲から極低出生体重児が入院している. 増床後も特に変化はなかった. 増床後, 入院患者数が3割弱増加しており, 増床の効果はあったと考えられる. 特に極低出生体重児の増加が目立つことは, 東毛地区の新生児医療の中核施設としての機能を果たしていると考えられる. 2006年度からの総合太田病院新生児救命センターの病床数の減少により, 太田地区の病的新生児の入院数が増加した. 増床したことは, 太田地区の病的新生児を入院させるためには有利に働いたと考えられる. 極低出生体重児が, 東毛地域だけでなく, 群馬県内の広範囲の地域から入院している現状は, 群馬県全体として極低出生体重児を受け入れる病床数が不足しているためと考えられる. 群馬県全体の病的新生児の必要病床数について再度検討が必要と思われる.
ISSN:1343-2826