22. 予防的balloon-occlude retrograde transvenous obliteration(B-RTO)後の胃潰瘍の検討

【はじめに】 バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)は孤立性胃静脈瘤の有効な治療とされている. 治療後における様々な合併症が報告されているが, 胃潰瘍の報告は症例報告が散見される程度である. 【目的】 予防的BRTO後に合併した胃潰瘍について検討したので報告する. 【対象】 当院にてBRTOを施行した胃静脈瘤症例134例中, 予防的に治療した71例を対象とした. 緊急例や待機例等の出血例は, 胃粘膜に変化をきたす可能性のある内視鏡的処置を行なうため除外した. 【方法】 BRTO後に胃潰瘍を形成した群(潰瘍群)とそれ以外の群(非潰瘍群)で比較検討した, また, Portal hyperten...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2010, Vol.60 (3), p.284-284
Hauptverfasser: 新井弘隆, 五十嵐隆通, 田中秀典, 上野敬史, 榎田泰明, 濱野郁美, 大塚修, 橋爪真之, 新井理記, 森一世, 佐川俊彦, 清水尚, 豊田満夫, 荒川和久, 田中俊行, 富澤直樹, 安東立正, 高山尚, 小川哲史, 阿部毅彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【はじめに】 バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)は孤立性胃静脈瘤の有効な治療とされている. 治療後における様々な合併症が報告されているが, 胃潰瘍の報告は症例報告が散見される程度である. 【目的】 予防的BRTO後に合併した胃潰瘍について検討したので報告する. 【対象】 当院にてBRTOを施行した胃静脈瘤症例134例中, 予防的に治療した71例を対象とした. 緊急例や待機例等の出血例は, 胃粘膜に変化をきたす可能性のある内視鏡的処置を行なうため除外した. 【方法】 BRTO後に胃潰瘍を形成した群(潰瘍群)とそれ以外の群(非潰瘍群)で比較検討した, また, Portal hypertensive gastropathy(PHG)を伴った症例や硬化剤の使用量との関係も検討した. 【結果】 BRTO後に胃潰瘍を形成した症例は, 71例中7例(9.9%)であった. 潰瘍群vs非潰瘍群の背景因子は以下のとおり. 男女比は6:1vs32:32で, 潰瘍群で男性が多かった. 年齢は51~78歳(平均62±11歳)vs34~84歳(平均64±11歳). 門脈圧亢進の原疾患は全例肝硬変で, 成因は(アルコール2例, C型4例, その他1例)vs(アルコール6例, B型4例, C型47例, その他7例)であり, child分類は(A 4例, B 2例, C 1例)vs(A 45例, B 19例, C 0例)であった. 胃静脈瘤の存在部位は潰瘍群は全例Lg-fで, 非潰瘍群は:Lg-f 51例, Lg-cf 13例であった, 形態は(F2・6例, F3・1例)vs(F1・6例, F2・46例, F3・12例)であった. 使用した硬化剤(5% Ethanolamine oleate with imopamidol;EOI)は, 潰瘍群33±13ml, 非潰瘍群34±13mlで差はなかった. BRTO後にPHGをきたした症例は11例(15.5%)であった. 硬化剤はPHG(+)群44±12ml, PHG(-)群32±13mlで統計学的に有意な差をみとめた(P
ISSN:1343-2826