5. 造血幹細胞移植における緩和ケアチームの役割
大学病院における緩和ケアチーム(以下PCT)の役割のひとつとして積極的な治療を受けている患者へのケアがあげられる. 今回, 造血幹細胞移植(以下移植)におけるサポートチームに参加するという機会を得た. 移植におけるPCTの取り組みと実践について報告する. 【取り組むきっかけ】移植サポートチームは主治医・病棟看護師・歯科口腔外科医・歯科衛生士・精神科医で構成され, PCTは移植後必要に応じて疼痛マネジメントや精神的支援について相談を受けることがあった. 現在は積極的に苦痛緩和を行うという主治医の方針により移植前から依頼を受けPCTも参加している. 【ケアの実践】(1)疼痛・嘔気など移植に関連して...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2010, Vol.60 (2), p.190-191 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 大学病院における緩和ケアチーム(以下PCT)の役割のひとつとして積極的な治療を受けている患者へのケアがあげられる. 今回, 造血幹細胞移植(以下移植)におけるサポートチームに参加するという機会を得た. 移植におけるPCTの取り組みと実践について報告する. 【取り組むきっかけ】移植サポートチームは主治医・病棟看護師・歯科口腔外科医・歯科衛生士・精神科医で構成され, PCTは移植後必要に応じて疼痛マネジメントや精神的支援について相談を受けることがあった. 現在は積極的に苦痛緩和を行うという主治医の方針により移植前から依頼を受けPCTも参加している. 【ケアの実践】(1)疼痛・嘔気など移植に関連して生じる身体的苦痛に対する症状マネジメント(2)身体的苦痛にともない生じる心理的・精神的苦痛への対応(3)マッサージを取入れた安楽へのケアを提供した. 【結果】主治医に薬物療法の提案をタイムリーにすることで苦痛の軽減がはかれた. 傾聴しコミュニケーションを促進することで精神的支援が行えた. マッサージは心身をほぐすことができ患者の楽しみのひとつとなった. 【考察】移植は長期にわたり身体的・精神的・社会的苦痛を伴う治療である. また命をかけた治療の選択という側面からスピリチュアルペインを伴うことが予測される. これらのことから移植患者にはトータルケアが必要であり, チーム医療は欠かせない. 多職種で構成されたPCTの参加により効果的なチームアプローチの提供と患者のQOL向上に貢献できることを実感した. 【まとめ】移植において必然的に生じる苦痛に焦点をあて, 安楽が得られるように関わることがPCTの役割である. 移植を受けた患者が「みんなに支えられ乗りきれた. 」「移植を受けて良かった. 」という結果につながるよう今後も経験を積み重ねていく. |
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ISSN: | 1343-2826 |