1. 肺癌との鑑別を要したinflammatory pseudotumorの1例

【症例】56歳女性. 【主訴】 なし(胸部異常影精査). 【現病歴】 年1度程度, 市町村の健康診断を受けていたが胸部レントゲンの異常を指摘されたことはなかった. 2006年12月6日の当院のドックにて右下肺野の腫瘤影を指摘. 胸部CTで右S9・10領域に径2cmほどのspiculaを伴う結節影を認め, FDG-PETにて同部位に集積を認められた. 画像所見からは肺癌が疑われたため精査・気管支鏡目的で12月11日入院となった. 【既往歴】 2002年 腰部脊柱管狭窄症, 2002年 高脂血症, 2003年 大腸癌polypectomy(以後年1回CF, ポリープのみ). 【生活歴】 喫煙(-)...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2009, Vol.59 (4), p.375-375
Hauptverfasser: 鈴木円香, 増渕健, 石塚隆雄, 梅枝愛郎, 飯塚邦彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】56歳女性. 【主訴】 なし(胸部異常影精査). 【現病歴】 年1度程度, 市町村の健康診断を受けていたが胸部レントゲンの異常を指摘されたことはなかった. 2006年12月6日の当院のドックにて右下肺野の腫瘤影を指摘. 胸部CTで右S9・10領域に径2cmほどのspiculaを伴う結節影を認め, FDG-PETにて同部位に集積を認められた. 画像所見からは肺癌が疑われたため精査・気管支鏡目的で12月11日入院となった. 【既往歴】 2002年 腰部脊柱管狭窄症, 2002年 高脂血症, 2003年 大腸癌polypectomy(以後年1回CF, ポリープのみ). 【生活歴】 喫煙(-), 飲酒(-). 【家族歴】 特記すべきことなし. 【入院時身体所見】 身長153cm, 体重57kg, 体温36.6℃, 血圧115/66mmHg, 脈拍94/min, 呼吸数16/min, 右季肋部に軽度圧痛を認める以外は理学的所見に特記すべきこと無し. 【入院時検査所見】 CRP0.5mg/dlと軽度上昇認めた以外は明らかな異常所見なし. Pro GRP, SCC, シフラ, CEA, CA19-9も陰性. 【入院後経過】 2006年12月12日に気管支鏡下に生検施行. 採取された組織からは正常細胞のみで悪性所見認められなかったが, 画像上からは肺癌が強く疑われたため, VATS目的に高崎病院紹介. 12月25日にVATS施行され, 最終的な病理診断はinflammatory pseudotumorであった. その後, 当院にて経過観察行っているが, 現在のところ明らかなの再発は認められていない. 【結語】 Inflammatory pseudotumorの1例を経験した. 画像的にはsolitary noduleで肺癌に酷似しており, 胸部異常影の鑑別診断のひとつに加える必要があると思われた. 【謝辞】 本発表にあたりご助言を頂きました独立行政法人国立高崎病院機構呼吸器外科大谷嘉己先生に深謝します.
ISSN:1343-2826