23. ダブルバルーン内視鏡(DBE)にて治療し得たRoux-en-Y再建後総胆管結石の1例

胆膵領域の様々な疾患に対して精査・治療目的に内視鏡的逆行性膵胆管造影法(以下, ERCP)が施行される. しかし, 術後再建腸管, 特にRoux-en-Y再建を有する症例では, 吻合部から盲端部までの距離・屈曲など特殊な解剖学的特性や術後癒着の影響により内視鏡的アプローチが困難な例が多く存在する. それゆえ, Roux-en-Y再建症例に対してERCPは積極的に施行されず, 経皮的手技あるいは開腹術が選択されてきた. 近年, 小腸観察・治療目的に開発されたダブルバルーン内視鏡(以下, DBE)を用いることで, 術後再建腸管を有するERCP困難症例を克服する試みが報告されている. 今回, Rou...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2009, Vol.59 (2), p.202-202
Hauptverfasser: 水出雅文, 田中良樹, 土田浩之, 山田俊哉, 小畑力, 斉藤秀一, 橋爪真之, 木村幸, 佐川俊彦, 新井弘隆, 高山尚, 阿部毅彦, 榎田泰明, 濱野郁美, 茂木陽子, 小林克巳, 荒川和久, 田中俊行, 富澤直樹, 安藤立正, 小川哲史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胆膵領域の様々な疾患に対して精査・治療目的に内視鏡的逆行性膵胆管造影法(以下, ERCP)が施行される. しかし, 術後再建腸管, 特にRoux-en-Y再建を有する症例では, 吻合部から盲端部までの距離・屈曲など特殊な解剖学的特性や術後癒着の影響により内視鏡的アプローチが困難な例が多く存在する. それゆえ, Roux-en-Y再建症例に対してERCPは積極的に施行されず, 経皮的手技あるいは開腹術が選択されてきた. 近年, 小腸観察・治療目的に開発されたダブルバルーン内視鏡(以下, DBE)を用いることで, 術後再建腸管を有するERCP困難症例を克服する試みが報告されている. 今回, Roux-en-Y再建後総胆管結石症例に対してDBE(フジノン社製:EC450BI5)を用いて切石し得た症例を経験したので症例を提示するとともに, 他施設におけるDBEを用いた術後再建腸管に対するERCP(DB-ERCP)成績を報告する. 【症例】82歳 男性【主訴】発熱・上腹部痛【既往歴】平成11年胃癌にて胃全摘・平成12年心筋梗塞にてステント留置(以後, バイスピリン・ワーファリン内服)【現病歴】平成20年11月中旬, 40℃発熱・上腹部痛出現し, 近医受診. 血液検査上, 肝胆道系酵素上昇・炎症高値, 腹部CTにて総胆管結石を認め. 加療目的に紹介入院となる. 入院当日, 細径大腸内視鏡を用いてERCP試みるもVater乳頭まで到達できず, 断念. 保存的加療開始し, 全身状態安定後DBE(フジノン社製:EC450BI5)を用いたERCP施行となる, 以下, 画像提示. DB-ERCPは, DBE操作による偶発症(輸入脚穿孔など)・ERCP関連手技困難性などの問題点が存在し, 両検査に精通した内視鏡医によるチーム医療が要求される. しかし, 胆膵疾患に対する内視鏡治療は外科的治療に比し低侵襲であり, 患者にとっての恩恵は大きく, DB-ERCP施行症例は増加していくものと思われる.
ISSN:1343-2826