21. 当院における膵・胆道癌のGemcitabineの使用経験

【はじめに】以前は膵胆道癌に対する有効な化学療法が少なく, 閉塞性黄疸があれば減黄をはかりbest supportive careになる症例が多かった. しかし, Gemcitabine(GEM)の登場以来, 生存期間が延長する症例や全身状態が改善し食欲が増進する症例がみられるようになってきた. そこで現状を確認するため, 当院で行った膵胆道癌の治療とその予後について検討した. 【対象】当院で2002年から2008年に膵癌, 胆管癌, 胆嚢癌と診断された症例のうち経過が確認できた症例を対象とした. 内訳は膵癌34例, 男女比15:19, 年齢37~94歳(平均72.0歳). 胆管癌14例, 男...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2009-05, Vol.59 (2), p.201-201
Hauptverfasser: 田中寛人, 矢内有紀, 壁谷建志, 東郷望, 小林光伸, 蒔田富士夫, 松浦正名
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】以前は膵胆道癌に対する有効な化学療法が少なく, 閉塞性黄疸があれば減黄をはかりbest supportive careになる症例が多かった. しかし, Gemcitabine(GEM)の登場以来, 生存期間が延長する症例や全身状態が改善し食欲が増進する症例がみられるようになってきた. そこで現状を確認するため, 当院で行った膵胆道癌の治療とその予後について検討した. 【対象】当院で2002年から2008年に膵癌, 胆管癌, 胆嚢癌と診断された症例のうち経過が確認できた症例を対象とした. 内訳は膵癌34例, 男女比15:19, 年齢37~94歳(平均72.0歳). 胆管癌14例, 男女比7:7, 年齢68~85歳(平均77.0歳). 胆轟癌9例, 男女比4:5, 年齢69~88歳(平均77.1歳). 【結果】膵癌でGEM使用16例, 不使用15例の生存期間中央値は使用例で9.6ヶ月, 不使用例で3.3ヶ月であった. GEMを使用した症例の生存期間中央値を病期別にみるとIII期で16.0ヶ月, IVa期で8.3ヶ月, IVb期で5.1ヶ月であった. 胆管癌の生存期間中央値はGEM使用3例で15.3ヶ月, 不使用例6例で17.7ヶ月であった. GEM不使用例のうち1例はUFT使用で41ヶ月生存した症例であり, 化学療法不使用の5例では13.0ヶ月であった. 胆嚢癌の生存期間中央値はGEM使用2例で8.0ヶ月, 不使用7例で6.7ヶ月であった. 【考察】症例数が少ないこと, 放射線照射の有無, GEM以外の化学療法の有無など考慮すべき要素が多いが, GEM使用例の方が不使用例よりも予後が延長することが確認できた.
ISSN:1343-2826