3. 高齢者の嚢胞性髄膜腫と思われる1例
嚢胞性髄膜腫はCT, MRI導入後, 稀ならず発見される腫瘍であるが, Nauta type 2のように, 嚢胞壁が腫瘍細胞で形成されている症例では, その摘出が不十分であると再発をきたしやすい, MRIで増強されない嚢胞壁は摘出する必要はない, など治療法について様々な見解が報告されている. 今回私たちは, 70歳で左半身麻痺の運動知覚障害で発症した右頭頂葉, 嚢胞性髄膜腫と考えられ, 現在治療中の1例を報告する. 症例は70歳男性. 平成12年10月頃より, 一過性の左半身脱力発作出現し, 他院で右頭頂部に嚢胞を伴うparasagittal meningiomaと診断され, 経過観察されて...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2009, Vol.59 (1), p.99-100 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 嚢胞性髄膜腫はCT, MRI導入後, 稀ならず発見される腫瘍であるが, Nauta type 2のように, 嚢胞壁が腫瘍細胞で形成されている症例では, その摘出が不十分であると再発をきたしやすい, MRIで増強されない嚢胞壁は摘出する必要はない, など治療法について様々な見解が報告されている. 今回私たちは, 70歳で左半身麻痺の運動知覚障害で発症した右頭頂葉, 嚢胞性髄膜腫と考えられ, 現在治療中の1例を報告する. 症例は70歳男性. 平成12年10月頃より, 一過性の左半身脱力発作出現し, 他院で右頭頂部に嚢胞を伴うparasagittal meningiomaと診断され, 経過観察されていた. 平成15年8月初旬より左半身脱力発作が頻回となり, 8月末には左半身の脱力が持続性となり, 平成15年9月3日, 当科受診. 左半身に中等度の麻痺, 知覚障害を認めた. CT, MRIにて右頭頂葉の嚢胞は著明に増大していたが, 充実性の腫瘍部分に増大は認めなかった. その後, 左半身麻痺は急速に進行したが, 高齢であり, 患者, 家族が侵襲の大きい手術を希望しなかったため, 局所麻酔にて嚢胞腔にオマヤリザーバーを設置し, 嚢胞内容を吸引した. 左半身麻痺はほぼ消失したが, その後嚢胞液の再貯溜が続き, 嚢胞液の吸引除去を繰り返しており, 今後更なる外科処置を検討中である. 本例は比較的高齢で, 充実性腫瘍が比較的小さく, かつ上矢状洞に及んでおり, 全摘出困難と判断し, オマヤリザーバー設置を行ったが, 今後の治療法などにつき, 御討論いただきたい. |
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ISSN: | 1343-2826 |