4. 造血幹細胞移植を受ける患者へのパワーポイントを用いたオリエンテーションの有効性

【はじめに】当病棟では, これまでに紙芝居を用いたプリパレーションを行い, 幼児後期から学童前期の児の興味を引き, 治療の理解を高めることに有効であると報告した. 今回学童後期から成人を対象としたツールとして, パワーポイントを用いた資料を作成し, オリエンテーションを行い, その有効性について検討した. 【研究方法】造血幹細胞移植を行なう患者に対して, 練習入室前に, 作成したパワーポイントを用いてオリエンテーションを行った. 退室後に, オリエンテーションの内容や無菌室での生活についての感想を, 聞き取り調査した. 同時に看護記録に記載されている患者の言動や表情を抜粋し, これらを分析した...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008-11, Vol.58 (4), p.432-432
Hauptverfasser: 菊池裕美, 籔内亮子, 鷹觜真由美, 北島美加, 阿部清子, 塚田昌大
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】当病棟では, これまでに紙芝居を用いたプリパレーションを行い, 幼児後期から学童前期の児の興味を引き, 治療の理解を高めることに有効であると報告した. 今回学童後期から成人を対象としたツールとして, パワーポイントを用いた資料を作成し, オリエンテーションを行い, その有効性について検討した. 【研究方法】造血幹細胞移植を行なう患者に対して, 練習入室前に, 作成したパワーポイントを用いてオリエンテーションを行った. 退室後に, オリエンテーションの内容や無菌室での生活についての感想を, 聞き取り調査した. 同時に看護記録に記載されている患者の言動や表情を抜粋し, これらを分析した. また, 担当看護師に本方法によるオリエンテーションの実施に関して聞き取り調査をした. 本研究は対象者の同意を得たものである. 【結果】無菌室入室後, 対象患者全てが, オリエンテーションの内容と実際の生活とに差を感じなかったと話し, 表情も穏やかに過ごせていた. 担当看護師は決まった内容のオリエンテーションを実施することで, 説明不足や患者の理解の差を生じず, オリエンテーションを実施する不安が軽減した. 【考察】患者は視覚的ツールであるパワーポイントを使用することによって, 無菌室内での具体的な生活について理解が高まり, より具体的にイメージ化することができた. それにより, 実際に入室後, 様々な制限や副作用に対して適応することができた. 担当看護師はパワーポイントというツールを用いることで, 統一した内容のオリエンテーションを実施することができ, オリエンテーションの内容に対する不安の軽減につながった.
ISSN:1343-2826