18. 溶血性尿毒素症候群を合併した病原性大腸菌O157の2例
【はじめに】今回, 溶血性尿毒素症候群(以下HUS)を合併した病原性大腸菌O157の2例を経験したので報告する. 【症例1】23歳男性. 2007年6月22日焼き肉(ホルモン)を大量摂取. 約1週間後より下血, 腹痛を自覚し, 当院救急外来受診. 下部消化管内視鏡施行した. 上行結腸から横行結腸右側に全周性に出血と一部白苔を伴う病変を認め, 感染性腸炎の診断で入院となった. 第2病日, 便培養検査上ベロトキシン1, 2型および病原性大腸菌O157が検出された. 第5病日, 肉眼的血尿, 総ビリルビン上昇, 血小板低下, Hb低下, LDH上昇, 貧血の進行, 腎機能障害を認めHUSと診断した....
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008, Vol.58 (2), p.276-276 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】今回, 溶血性尿毒素症候群(以下HUS)を合併した病原性大腸菌O157の2例を経験したので報告する. 【症例1】23歳男性. 2007年6月22日焼き肉(ホルモン)を大量摂取. 約1週間後より下血, 腹痛を自覚し, 当院救急外来受診. 下部消化管内視鏡施行した. 上行結腸から横行結腸右側に全周性に出血と一部白苔を伴う病変を認め, 感染性腸炎の診断で入院となった. 第2病日, 便培養検査上ベロトキシン1, 2型および病原性大腸菌O157が検出された. 第5病日, 肉眼的血尿, 総ビリルビン上昇, 血小板低下, Hb低下, LDH上昇, 貧血の進行, 腎機能障害を認めHUSと診断した. 同日より血液濾過透析を10日間, 第6病日より血漿交換を4回施行した. 透析離脱後も遷延する腎性貧血を認めたためエリスロポエチン製剤を投与. 第31病日には軽快退院した. 【症例2】58歳女性. 2007年8月12日頃, 焼き肉を摂取. 8月16日左下腹部痛, 鮮血便を主訴に救急外来受診. 下部内視鏡施行. S上結腸に易出血性の浮腫状粘膜を認め, 出血性腸炎の疑いで入院となった. 2例目では入院時より尿量, 体重, 尿沈査を定期的に検査した. 第3病日に無尿を認めた. 第5病日に血小板低下, 溶血所見, 貧血を認めHUSと診断した. 同日より血液濾過透析, 血漿交換を施行した. 経過は良好で, 第22病日軽快退院した. 【結語】溶血性尿毒素症候群を合併した病原性大腸菌O157の二例を経験した. HUS合併リスクが比較的低いとされる健常成人においてもHUS合併を念頭においた診療が必要であると思われた. |
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ISSN: | 1343-2826 |