6. 肝細胞癌術後10年生存例の検討

【目的】肝細胞癌切除後の長期生存例の臨床病理学的検討を行った. 【対象と方法】1992年から1997年までに当院で肝切除術を施行した肝細胞癌症例で治癒度Cを除く根治切除40例のうち, 10年生存例6例(以下A群)と10年未満死亡例34例(以下B群)に分けて各背景因子ごとに比較検討した. 【結果】A群は平均年齢60歳, 男女比5:1, 肝炎:HB/HCは3/3, 肝障害度:A/Bは3/3, child分類:A/Bは6/0, 単発/多発は6/0, 平均主腫瘍径2.5cm, Stage1/2/3は2/2/2, JISスコア:0/1/2/3は2/1/3/0, 分化度:高/中/低は, 3/3/0, 脈管...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008, Vol.58 (2), p.271-271
Hauptverfasser: 東郷望, 蒔田富士雄, 小林光伸, 良永寛子, 壁谷建志, 松崎豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】肝細胞癌切除後の長期生存例の臨床病理学的検討を行った. 【対象と方法】1992年から1997年までに当院で肝切除術を施行した肝細胞癌症例で治癒度Cを除く根治切除40例のうち, 10年生存例6例(以下A群)と10年未満死亡例34例(以下B群)に分けて各背景因子ごとに比較検討した. 【結果】A群は平均年齢60歳, 男女比5:1, 肝炎:HB/HCは3/3, 肝障害度:A/Bは3/3, child分類:A/Bは6/0, 単発/多発は6/0, 平均主腫瘍径2.5cm, Stage1/2/3は2/2/2, JISスコア:0/1/2/3は2/1/3/0, 分化度:高/中/低は, 3/3/0, 脈管侵襲(vp or vv):陽性/陰性は1/5, 術式:Hr0/S/1/2は1/3/2/0であった. 現在, 1例は無再発生存中, 4例は再発治療中, 1例は癌死である. 一方B群の死因は, 癌死11例, 他病死9例, 肝不全死8例, 消化管出血6例であった. A・B群の比較では, 宿主因子(年齢, 性別, HBV, HCV, T-Bil, Alb, PT, ICGR15値, 肝障害度, JISスコア, 再発までの期間)では, A群平均年齢はB群に比べ有意に若く(P<0.05), A群はHB陽性率が50%と有意に高く(P<0.05), 再発までの平均期間が41.2±9.4ヶ月と有意に長かった(P<0.05). 腫瘍因子(腫瘍径, 腫瘍数, Stage, 肉眼型, 組織型, 脈管侵襲)では, 主腫瘍径平均でA群の方が小さい傾向(A/B:2.5cm/3.4cm)にあった他は差を認めなかった. 治療因子(術式, 治癒度, TW)では明らかな有意差を認めなかった. 【結語】長期生存例においては, 若年発症, HB陽性肝細胞癌であり, 腫瘍径の小さいことが関与すると考えられた.
ISSN:1343-2826