4. 遷延したモンドール病に桂枝茯苓丸が奏効した一例

【緒言】モンドール病は胸部, 上腹部, 上肢にかけて皮下索条として出現し, 局所の自発痛を伴うことがある亜急性皮下静脈炎. 1~2ヶ月で自然に治癒し, 局所の疼痛はNSAIDsによる対症療法に反応することが多い. 今回, 我々は遷延したモンドール病に対し桂枝茯苓丸が奏効した一例を経験したので報告する. 【症例】65歳, 男性. 168cm 66kg, 14-33歳まで20本/日の喫煙歴. 既往に食道裂孔ヘルニア. 主訴は左前胸部および上腹部痛. 200X年1月1日, 寝返りをうった直後に左胸部に疼痛を自覚. 以後, 左上肢挙上時や局所圧迫時に疼痛が強く自覚され, 安静時にも軽い疼痛が持続するよ...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008, Vol.58 (2), p.258-258
Hauptverfasser: 星野綾美, 巽武司, 佐藤浩子, 小暮敏明, 奥裕子, 田村遵一, 伊藤克彦, 栗田誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】モンドール病は胸部, 上腹部, 上肢にかけて皮下索条として出現し, 局所の自発痛を伴うことがある亜急性皮下静脈炎. 1~2ヶ月で自然に治癒し, 局所の疼痛はNSAIDsによる対症療法に反応することが多い. 今回, 我々は遷延したモンドール病に対し桂枝茯苓丸が奏効した一例を経験したので報告する. 【症例】65歳, 男性. 168cm 66kg, 14-33歳まで20本/日の喫煙歴. 既往に食道裂孔ヘルニア. 主訴は左前胸部および上腹部痛. 200X年1月1日, 寝返りをうった直後に左胸部に疼痛を自覚. 以後, 左上肢挙上時や局所圧迫時に疼痛が強く自覚され, 安静時にも軽い疼痛が持続するようになった. 症状が持続したため1月9日当院総合診療科を受診した. 疼痛部位に一致して皮下索条と軽度の熱感を触れる他は診察所見や胸部レントゲン, 心電図, 上部消化管内視鏡検査および胸部・腹部造影CT上も異常なく, CRP0.08mg/dlと全身的な炎症性疾患は疑われなかった. 以上の所見と特徴的な皮下索条よりモンドール病と診断された. 湿布とNSAIDs内服による対症療法を受けたが自覚症状不変のため, 同年6月4日和漢診療を希望された. 同日から桂枝茯苓丸7.5g/日を投与したところ, 内服2週後には自発痛が消失, 以後2ヶ月かけて漸減し廃薬とした. 【結語】桂枝茯苓丸が奏効したモンドール病の一例を報告した. 西洋医学的診断がついたものの対症療法に難渋していた症例であったが, 和漢診療学的治療が著効した.
ISSN:1343-2826