当科における口腔悪性腫瘍症例の臨床統計的検討

【背景・目的】 口腔悪性腫瘍は, 治療により摂食嚥下・発音・呼吸などの日常生活にかかわる機能を障害するのみならず, 顔貌という個人のアイデンティティを表す部位にも障害を引き起こす. したがって, より安定した質の高い治療法を選択する必要性が増してきている. 【対象と方法】 2001年1月から2003年12月の3年間に群馬大学歯科口腔外科・歯科にて治療を行った口腔悪性腫瘍症例46例について, 臨床統計学的に検討を行った. 【結 果】 年齢別では, 60歳台が18例 (39.1%) と最も多く, 50歳台から70歳台で38例 (82.5%) であった. 発生部位別では舌が16例 (34.7%),...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008/05/01, Vol.58(2), pp.167-172
Hauptverfasser: 宮下, 剛, 根岸, 明秀, 中曽根, 良樹, 山口, 徹, 宮久保, 満之, 石北, 朋宏, 新見, 隆行, 飯村, 一弘, 柏木, 剛, 三木, 沙央里, 野田, 俊樹, 高山, 優, 武者, 篤
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【背景・目的】 口腔悪性腫瘍は, 治療により摂食嚥下・発音・呼吸などの日常生活にかかわる機能を障害するのみならず, 顔貌という個人のアイデンティティを表す部位にも障害を引き起こす. したがって, より安定した質の高い治療法を選択する必要性が増してきている. 【対象と方法】 2001年1月から2003年12月の3年間に群馬大学歯科口腔外科・歯科にて治療を行った口腔悪性腫瘍症例46例について, 臨床統計学的に検討を行った. 【結 果】 年齢別では, 60歳台が18例 (39.1%) と最も多く, 50歳台から70歳台で38例 (82.5%) であった. 発生部位別では舌が16例 (34.7%), 上下顎歯肉が22例 (47.7%) であった. 病理組織学的には扁平上皮癌が40例 (86.9%) を占めた. 扁平上皮癌はStageII症例が17例 (42.5%) であった. 治療法は, 外科療法を主軸とし, 補助的に放射線療法, 化学療法が施行されていた. 扁平上皮癌症例の5年生存率は71%であり, Stage別では, それぞれStageI : 80.0%, StageII : 85.0%, StageIII : 57.0%, StageIV : 33.0%であった. 【結 語】 高齢の口腔悪性腫瘍症例も増加しており, 全身疾患を考慮した治療法の立案が肝要であると考えられた.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.58.167