無血清培地における下垂体由来GH3細胞のプロラクチン産生に対するアクチビンの作用

「はじめに」アクチビンは下垂体の卵胞刺激ホルモン(FSH)の産生を促進する卵胞液中の因子として発見されたが,1,2 その後, 様々な組織で種々の作用を発揮する成長因子であることが明らかとなった.3 下垂体ではプロラクチン(PRL)産生にも影響することが報告され, ラット下垂体前葉初代培養細胞ではPRLの産生を抑制すること4 や血清添加培地ではラット下垂体由来GH3細胞のPRL産生を抑制すること5が報告された. しかし. 下垂体前葉初代培養細胞は様々なホルモン分泌細胞を含み, この培養系を用いた報告は様々な細胞の相互作用の結果を反映している可能性がある. また, 血清はアクチビン結合蛋白質で結合...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008/02/01, Vol.58(1), pp.129-130
1. Verfasser: 伊吹, 友二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」アクチビンは下垂体の卵胞刺激ホルモン(FSH)の産生を促進する卵胞液中の因子として発見されたが,1,2 その後, 様々な組織で種々の作用を発揮する成長因子であることが明らかとなった.3 下垂体ではプロラクチン(PRL)産生にも影響することが報告され, ラット下垂体前葉初代培養細胞ではPRLの産生を抑制すること4 や血清添加培地ではラット下垂体由来GH3細胞のPRL産生を抑制すること5が報告された. しかし. 下垂体前葉初代培養細胞は様々なホルモン分泌細胞を含み, この培養系を用いた報告は様々な細胞の相互作用の結果を反映している可能性がある. また, 血清はアクチビン結合蛋白質で結合によりアクチビン作用を中和することの知られているフォリスタチン6を含有し, 血清含有培地を用いた報告はアクチビンと血清成分との相互作用の結果を反映していると考えられる. 一方, GH3細胞はラット下垂体腫瘍細胞から確立されたPRL産生性の細胞株7でこれまでに種々のポリペプチドの作用の研究に用いられており, アクチビンレセプターが発現していることも報告されている.8
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.58.129