リネゾリドが著効した高齢者MRSA肺炎の1例
症例は79歳, 男性. 咳嗽, 喀痰, 全身倦怠感などを主訴に前医を受診した. 肺炎を指摘され, 前医にてセフピロムの点滴静注を受けたが, 改善せず紹介入院となった. 入院時採取された喀痰よりMRSAが培養され, バンコマイシンなどの抗菌剤投与が行われた. しかし, 肺炎は改善せず, 人工呼吸管理を必要とし, 肝機能障害なども出現したため, リネゾリド投与を開始した. 2週間の投与で肺炎は著明に改善し, その後は再燃などもなく退院可能となった. リネゾリド投与期間中に一過性の貧血および血小板減少を認め, 赤血球輸血を必要としたが, その他の副作用は認めず, 有用であった. リネゾリドは, 高齢...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008/02/01, Vol.58(1), pp.81-86 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は79歳, 男性. 咳嗽, 喀痰, 全身倦怠感などを主訴に前医を受診した. 肺炎を指摘され, 前医にてセフピロムの点滴静注を受けたが, 改善せず紹介入院となった. 入院時採取された喀痰よりMRSAが培養され, バンコマイシンなどの抗菌剤投与が行われた. しかし, 肺炎は改善せず, 人工呼吸管理を必要とし, 肝機能障害なども出現したため, リネゾリド投与を開始した. 2週間の投与で肺炎は著明に改善し, その後は再燃などもなく退院可能となった. リネゾリド投与期間中に一過性の貧血および血小板減少を認め, 赤血球輸血を必要としたが, その他の副作用は認めず, 有用であった. リネゾリドは, 高齢者においても認容性に優れた有用な抗MRSA薬であることが示唆されたが, その使用に際しては, 薬剤耐性化などの問題も考慮した上で, 適切に選択していくことが必要であると思われる. |
---|---|
ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.58.81 |