14. 巨大副腎転移をきたしたNASH合併肝細胞癌の一例
症例は76歳男性. 2001年8月, 73歳時に血尿を主訴に近医を受診した. 10年来高血圧で服薬中. 163.5cm, 体重73.5Kg, BMI:28.3. 血尿の原因はのう胞腎で軽度のため特に処置は不要と判断された. しかし精査の結果, 幽門大弯にIIc型早期胃癌, S7, 8に径5cm大の肝細胞癌が発見された. AFP=7ng/ml, PIVKAII =71mAU/ml, CEA8.1ng/ml, CA19-9=47.9U/mlであった. HBs抗原陰性, HCV抗体陰性で, 飲酒歴も無く, 肝予備能Child Aと良好のため同年9月24日, 肝拡大右葉切除, 幽門側胃切除施行した....
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2007, Vol.57 (2), p.212-212 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は76歳男性. 2001年8月, 73歳時に血尿を主訴に近医を受診した. 10年来高血圧で服薬中. 163.5cm, 体重73.5Kg, BMI:28.3. 血尿の原因はのう胞腎で軽度のため特に処置は不要と判断された. しかし精査の結果, 幽門大弯にIIc型早期胃癌, S7, 8に径5cm大の肝細胞癌が発見された. AFP=7ng/ml, PIVKAII =71mAU/ml, CEA8.1ng/ml, CA19-9=47.9U/mlであった. HBs抗原陰性, HCV抗体陰性で, 飲酒歴も無く, 肝予備能Child Aと良好のため同年9月24日, 肝拡大右葉切除, 幽門側胃切除施行した. 結果は胃腺癌, 中分化型肝細胞癌であり, 肝の非癌部組織は中等度の脂肪沈着を伴うA2, F3のNASHであった. その後自身の都合で経過観察されておらず, 2005年8月, 左腎の巨大腫瘍を発見され, 再度紹介となった. 腎原発腫瘍との鑑別が問題となったが, AFP=30.5, L3=39%, PIVKAII =101mAU/mlであり転移性腫瘍が疑われた. 肝S3にも1.5cm大の動脈相で淡く濃染する腫瘍を疑われたが, 他部位に転移はないと判断し, 9月6日泌尿器科で左腎摘除術, 膵左半, 牌臓合併切除を施行した. 手術の結果腎腫瘍は, 最大径17x13cmに及ぶ中分化型主体の肝細胞癌の副腎転移であった. 2006年1月17日, 肝腫瘍に対してはCTA, CTAPでHCCと判断しTAEを施行. その後経過良好である. 考察:本例はNASHにHCCを合併し, 4年後孤立性副腎転移が巨大化し, 手術し得た症例である. NASH合併のHCCの病態はウイルス性のものと比べ未だ症例が少なく不明の点が多いが, 本例のごとく高齢の進行例でも予後良好例が存在することを報告した. |
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ISSN: | 1343-2826 |