3.癌研究における糖鎖の重要性-血清オロソムコイド糖鎖の癌性変化と腫瘍マーカーへの応用
【緒言】血清オロソムコイド(AGP)のグライコフォームの癌性変化を明らかにし, 腫瘍マーカーとしての可能性を検討した. 【対象, 方法】術前後の担癌患者45例の血清AGP量測定と2種類のレクチン及び抗AGP抗体を用いた二次元電気泳動(CAIE法)で血清AGPグライコフォームを解析し, AGPのフコシル化及び糖鎖の分枝度の割合によってグライコフォームを分類した. 【結果】担癌患者の血清AGP量は健常者に比べ有意に高値を示したが, 術式や再発, 転移の有無などとは必ずしも関連しなかった. 一方, AGPグライコフォームは炎症に基づく変動以外に著しい癌性変化が認められた. 即ち, 再発, 転移を含む...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2007, Vol.57 (1), p.79-79 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】血清オロソムコイド(AGP)のグライコフォームの癌性変化を明らかにし, 腫瘍マーカーとしての可能性を検討した. 【対象, 方法】術前後の担癌患者45例の血清AGP量測定と2種類のレクチン及び抗AGP抗体を用いた二次元電気泳動(CAIE法)で血清AGPグライコフォームを解析し, AGPのフコシル化及び糖鎖の分枝度の割合によってグライコフォームを分類した. 【結果】担癌患者の血清AGP量は健常者に比べ有意に高値を示したが, 術式や再発, 転移の有無などとは必ずしも関連しなかった. 一方, AGPグライコフォームは炎症に基づく変動以外に著しい癌性変化が認められた. 即ち, 再発, 転移を含む予後不良例(11例)は術後長期に渡って高フコシル化3, 4本鎖を有し, その他のグライコフォーム症例では予後良好であった. 【考察】血清AGPのフコシル化と分枝度に基づくAGPグライコフォームが癌の予後予測に有用であり, 新しい腫瘍マーカーになりうる可能性が考えられた. |
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ISSN: | 1343-2826 |