16.壮年期の夫を看取る妻とその家族への援助

終末期の家族への援助について渡辺は構造的, 機能的な側面から家族の対応能力(家族の強み, 弱み)を検討し, 援助を行う事が重要であると述べている. 今回, 意志決定を夫と相談して行うことでストレスを回避してきた妻が, 夫を看取るなかで妻自身で意志決定をすることが出来た事例を経験した. 夫のせん妄をきっかけに妻が意志決定をしなければならない状態となり『夫と相談して意志決定を行う』という強みが弱みへと変化したが, 妻は弱みを強みに変え, 妻自身で自己決定できるようになった. その要因として妻の強み, 弱みを理解し, 看護師がタイムリーに援助できた事があげられる. この事例からそれぞれの家族の強みや...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2007, Vol.57 (1), p.75-75
Hauptverfasser: 登丸真由美, 金子結花, 中島陽子, 井上エリ子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:終末期の家族への援助について渡辺は構造的, 機能的な側面から家族の対応能力(家族の強み, 弱み)を検討し, 援助を行う事が重要であると述べている. 今回, 意志決定を夫と相談して行うことでストレスを回避してきた妻が, 夫を看取るなかで妻自身で意志決定をすることが出来た事例を経験した. 夫のせん妄をきっかけに妻が意志決定をしなければならない状態となり『夫と相談して意志決定を行う』という強みが弱みへと変化したが, 妻は弱みを強みに変え, 妻自身で自己決定できるようになった. その要因として妻の強み, 弱みを理解し, 看護師がタイムリーに援助できた事があげられる. この事例からそれぞれの家族の強みや弱みに沿った援助を行うことの重要性を再認識し, 今後も意識的に家族の強みや弱みを検討し, 終末期における家族援助を行っていく必要がある.
ISSN:1343-2826