1.放射線治療6ヵ月後の生検で残存が疑われた胃MALTリンパ腫の一例

症例は64歳, 男性. 2004年4月, 他院での胃内視鏡で異常を指摘され, 当院内科受診, 再検査, 生検の結果, MALTリンパ腫と診断された. まずピロリ菌除菌術が施行されたが, 無効であったため, 10月に放射線治療目的に当科紹介となり, 全胃に対し40Gy/20回の放射線治療が施行された. 治療6ヶ月後の胃内視鏡では, 免疫組織学的に形質細胞の単クローン性増殖が認められ, MALTリンパ腫のうち形質細胞へ分化した細胞が残存しているとの病理診断であった. MALTリンパ腫の放射線反応性の低さを考慮し経過観察していたところ, 治療10ヵ月後の再生検では, 形質細胞の異常増殖は認められなか...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2007, Vol.57 (1), p.65-65
Hauptverfasser: 風間俊文, 鈴木義行, 吉田大作, 塩谷真里子, 桜井英幸, 中野隆史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は64歳, 男性. 2004年4月, 他院での胃内視鏡で異常を指摘され, 当院内科受診, 再検査, 生検の結果, MALTリンパ腫と診断された. まずピロリ菌除菌術が施行されたが, 無効であったため, 10月に放射線治療目的に当科紹介となり, 全胃に対し40Gy/20回の放射線治療が施行された. 治療6ヶ月後の胃内視鏡では, 免疫組織学的に形質細胞の単クローン性増殖が認められ, MALTリンパ腫のうち形質細胞へ分化した細胞が残存しているとの病理診断であった. MALTリンパ腫の放射線反応性の低さを考慮し経過観察していたところ, 治療10ヵ月後の再生検では, 形質細胞の異常増殖は認められなかった. その後, 治療19ヶ月後の現在まで明らかな再燃を疑う所見は認められない. MALTリンパ腫の放射線治療後に長期にわたり腫瘍細胞が残存した一例を経験したので報告する.
ISSN:1343-2826