11.当院におけるASヒップスクリューの使用経験
大腿骨頸部骨折は高齢者に多く, より早期の離床が望ましいため, その手術療法にあっては確実で強固な初期固定性が求められる. 大腿骨頸部骨折のうち, 安定型の外側骨折にはコンプレッションヒップスクリューが良い適応であるが, 一般にはラグスクリューの刺入角度が適切でないと, プレート固定時にラグスクリュー刺入部の骨折を招き, 初期固定力の低下を来す恐れがある. その点, ASヒップスクリューはラグスクリューの角度を125度から145度の範囲で変化させることができるため, プレートを大腿骨骨幹部に正確に密着させることが可能であるから, ラグスクリュー刺入部での骨折を防止する効果があり, より確実な初...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2006, Vol.56 (3), p.275-275 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 大腿骨頸部骨折は高齢者に多く, より早期の離床が望ましいため, その手術療法にあっては確実で強固な初期固定性が求められる. 大腿骨頸部骨折のうち, 安定型の外側骨折にはコンプレッションヒップスクリューが良い適応であるが, 一般にはラグスクリューの刺入角度が適切でないと, プレート固定時にラグスクリュー刺入部の骨折を招き, 初期固定力の低下を来す恐れがある. その点, ASヒップスクリューはラグスクリューの角度を125度から145度の範囲で変化させることができるため, プレートを大腿骨骨幹部に正確に密着させることが可能であるから, ラグスクリュー刺入部での骨折を防止する効果があり, より確実な初期固定性が期待できる. 当院において, H15年10月からH17年4月の間に, 新鮮大腿骨頸部骨折に対して行われたASヒップスクリュー60例について, 術後早期成績の調査を行い報告する. また, PFN術後に偽関節に陥り, ASヒップスクリューを用いてサルベージ手術を行った1例についても報告する. 骨術中にラグスクリュー刺入部の骨折を来した症例は無く, 安定型骨折については殆どの症例で, パス通りの術後5日目に荷重開始が可能であった. ASヒップスクリューは大腿骨頸部外側骨折に対し確実な初期固定が得られ, 有用であったと考えられる. また, 大腿骨頸部骨折術後の偽関節症例に対しても, ラグスクリュー刺入角度にある程度の自由度があることは有利であると考えられた. |
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ISSN: | 1343-2826 |