4. プロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)注腸療法の成績
(1)研究の背景と目的 BDPはステロイドアンテドラッグであり, 強力な局所治療効果を有しながら副作用はきわめて軽微である. したがって, UCに対する局所療法用の薬剤としては, きわめて有用と考えられている. しかし保険適応外の治療であり既製品がないため, 院内にて独自に注腸液を調剤している. 今回, BDP注腸療法の有効性, 安全性を評価検討するとともに, Quality of Life(以下, QOL)に関しても検討した. (2)研究方法 対象は, 1998年9月より2005年1月までにBDP注腸療法を単独, もしくは他の薬剤に併用して施行した治療抵抗性のUC:102例のうち, 評価可能...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2006, Vol.56 (2), p.162-162 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (1)研究の背景と目的 BDPはステロイドアンテドラッグであり, 強力な局所治療効果を有しながら副作用はきわめて軽微である. したがって, UCに対する局所療法用の薬剤としては, きわめて有用と考えられている. しかし保険適応外の治療であり既製品がないため, 院内にて独自に注腸液を調剤している. 今回, BDP注腸療法の有効性, 安全性を評価検討するとともに, Quality of Life(以下, QOL)に関しても検討した. (2)研究方法 対象は, 1998年9月より2005年1月までにBDP注腸療法を単独, もしくは他の薬剤に併用して施行した治療抵抗性のUC:102例のうち, 評価可能であった77例である. (男女比:30/47, 平均年齢37.5歳)BDP注腸は, 1回:50~100ml, 1日:1~2回使用した. 有効性の評価については, Ulcerative Colitis Activity Index(UCAI)を指標として用いた. またQOLについては日本語版IBDQを用いて検討した. (3)結果と考察 対象77例中, 治療効果の認められた症例(UCAI:15%以下)は66例であり, 有効率は85.7%であった. 副作用は, 盗汗(2例)/夜間多尿/頭髪の脱色, 脱毛/肛門周囲のかぶれ(各1例)が認められたがいずれも軽微であった. また, 院内調剤によるデメリットも工夫によりかなり解消でき, QOLについても満足できるものであった. (4)結論 BDP注腸療法は, 治療抵抗性のUC(直腸炎型, 左側大腸炎型)に対してきわめて有用かつ安全な局所療法であることが示唆された. |
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ISSN: | 1343-2826 |