がんとともに生きるがん患者・家族への支援

がんの治癒率の向上や抗がん剤治療の外来への移行など, がんに関する医療は変化しつつある. がん患者・家族に対する心理社会的支援の重要性は, 従来から言われてきたが, このような変化に伴い, ますますその重要性が高まっている. 日本赤十字看護大学で主催する研究会では, 退院後地域で生活するがん患者・家族を支援するためにサポートグループに着眼し, その運営を試みた. グループ運営にあたっては, 実存的な立場でグループを展開しているStanfbrd大学の支持・感情表出型のグループ理論を基盤にした. これまでの国内外の研究によれば, サポートグループは, がんへの対処や心理的な適応状態QOLなどが改善...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2005-11, Vol.55 (4), p.407-407
1. Verfasser: 守田美奈子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:がんの治癒率の向上や抗がん剤治療の外来への移行など, がんに関する医療は変化しつつある. がん患者・家族に対する心理社会的支援の重要性は, 従来から言われてきたが, このような変化に伴い, ますますその重要性が高まっている. 日本赤十字看護大学で主催する研究会では, 退院後地域で生活するがん患者・家族を支援するためにサポートグループに着眼し, その運営を試みた. グループ運営にあたっては, 実存的な立場でグループを展開しているStanfbrd大学の支持・感情表出型のグループ理論を基盤にした. これまでの国内外の研究によれば, サポートグループは, がんへの対処や心理的な適応状態QOLなどが改善するという効果が報告されている. ただし, 乳がんなど同一疾患のグループによる研究成果がほとんどであった. 私たちは, 地域で展開するために, がんの種類や性別を問わず誰でもが参加できるグループ運営を行った. その結果, 疾患混合や男女混合のグループでも, がんへの適応感の向上という点でグループの効果が見られることが分かった. その後短期型のグループメンバーを対象に「継続会」と称して長期型のグループを5年間運営している. また, 家族のためのサポートグループも同時に運営してきた. がん患者は闘病期間が長く, その間に参加者の置かれた状況や病状も刻々と変化する. その間の患者・家族を支えるために, サポートグループをはじめとした種々のサポート方法をシステム化していく必要がある.
ISSN:1343-2826