8. 内視鏡的に整復した胃軸捻転症の一例

胃軸捻転症はまれな疾患である. 今回, 我々は胃軸捻転症に対し内視鏡的に整復術を行い, 胃壁固定具を使用して経皮的に胃固定術を施行した症例を経験したので報告する. 症例は88歳の男性. 不整脈にて近医に通院中であった. 嘔吐を主訴に近医受診. 診察所見にて上腹部に膨隆を認め, 幽門狭窄を疑われ当院に紹介入院となった. 腹部CTおよび胃透視では胃の著明な拡張を認め, 幽門が噴門部の前方に位置し小網を軸として捻転していた. 以上より胃軸捻転症と診断胃管にてドレナージを行ったが捻転は解除されなかったため, 入院より8日目に胃内視鏡を用いて捻転整復術を施行した. 【術式】胃内視鏡を逆αループの状態で幽...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2005-11, Vol.55 (4), p.387-387
Hauptverfasser: 小林正則, 大下栄作, 中島弘樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃軸捻転症はまれな疾患である. 今回, 我々は胃軸捻転症に対し内視鏡的に整復術を行い, 胃壁固定具を使用して経皮的に胃固定術を施行した症例を経験したので報告する. 症例は88歳の男性. 不整脈にて近医に通院中であった. 嘔吐を主訴に近医受診. 診察所見にて上腹部に膨隆を認め, 幽門狭窄を疑われ当院に紹介入院となった. 腹部CTおよび胃透視では胃の著明な拡張を認め, 幽門が噴門部の前方に位置し小網を軸として捻転していた. 以上より胃軸捻転症と診断胃管にてドレナージを行ったが捻転は解除されなかったため, 入院より8日目に胃内視鏡を用いて捻転整復術を施行した. 【術式】胃内視鏡を逆αループの状態で幽門部まで進めた後, 右にスコープをねじり引き抜くと捻転は解除された. 再発予防のため鮒田式胃壁固定具を使用して経皮的に腹壁と胃前壁を固定した. 症状は劇的に改善し退院. 術後一年半経過し, 再発は認めていない.
ISSN:1343-2826