8.事例からみる終末期看護における倫理的ジレンマ

医療が高度化し, 人間の価値観の多様化しているなかで倫理的判断を迫られる場面が増えてきている. まして決定そのものが自らの命や人生のしめくくりという終末期に関係するものであるなら判断の重要性は高い. 終末期医療に関わる看護師として患者の「自己決定が守られない時」や「自己決定が聞きいれてもらえない時」を体験した場面では, 人間として医療従事者としてどうすれば良いのかというジレンマを感じる. 今回2事例を通し検討し, 対策として(1)医療者が死生観を持ち, それについてチーム内で話し合い, チームとしての考え方を明確にしておく. (2)患者家族, 医療者間でコミュニケーションを密にする. (3)患...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2005, Vol.55 (2), p.211-211
Hauptverfasser: 荒由紀, 千木良直子, 茂木麻弓, 五十嵐克子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:医療が高度化し, 人間の価値観の多様化しているなかで倫理的判断を迫られる場面が増えてきている. まして決定そのものが自らの命や人生のしめくくりという終末期に関係するものであるなら判断の重要性は高い. 終末期医療に関わる看護師として患者の「自己決定が守られない時」や「自己決定が聞きいれてもらえない時」を体験した場面では, 人間として医療従事者としてどうすれば良いのかというジレンマを感じる. 今回2事例を通し検討し, 対策として(1)医療者が死生観を持ち, それについてチーム内で話し合い, チームとしての考え方を明確にしておく. (2)患者家族, 医療者間でコミュニケーションを密にする. (3)患者をチームでサポートする. (4)ケアリング能力を高める. ということがあげられた. 今後の課題として院内で倫理委員会を設置し, ガイドラインを作成することが大切であると考える.
ISSN:1343-2826