7.腹腔鏡下右副腎褐色細胞腫摘除術を行った1例

47歳女性. 偶然にエコーにて右副腎の腫瘍を指摘される. 副腎髄質ホルモンの異常高値を認め, CT, MRI, シンチにて右副腎褐色細胞腫と診断した. 術前の心機能に異常はなかった. 事前にαβブロッカーを内服し腹腔鏡下右副腎腫瘍を施行した. 術中血圧の上昇を認めその後VFとなり3分間の心停止となったが, すぐに律洞調に回復した. 術後後遺症は認めず, 合併症も認めなかつた. 術中VFは腫瘍剥離の際の腫瘍からのカテコラミンのドレナージと, その後のα, βブロッカー投与により誘発されたものと推測できる. 術中術後の循環管理法の確立などにより褐色細胞腫の手術は以前より安全性が増してきた. しかし...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2004-11, Vol.54 (4), p.338-338
Hauptverfasser: 森川泰如, 小屋智子, 斉藤佳隆, 内田達也, 竹澤豊, 小林幹男, 郷秀人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:47歳女性. 偶然にエコーにて右副腎の腫瘍を指摘される. 副腎髄質ホルモンの異常高値を認め, CT, MRI, シンチにて右副腎褐色細胞腫と診断した. 術前の心機能に異常はなかった. 事前にαβブロッカーを内服し腹腔鏡下右副腎腫瘍を施行した. 術中血圧の上昇を認めその後VFとなり3分間の心停止となったが, すぐに律洞調に回復した. 術後後遺症は認めず, 合併症も認めなかつた. 術中VFは腫瘍剥離の際の腫瘍からのカテコラミンのドレナージと, その後のα, βブロッカー投与により誘発されたものと推測できる. 術中術後の循環管理法の確立などにより褐色細胞腫の手術は以前より安全性が増してきた. しかし, 本症例のようなこともあるので, 開放術腹腔鏡手術に関わらず細心の注意が必要である.
ISSN:1343-2826