群馬大学における救急医療の現状と問題点
「地方の国立大学病院は地域の基幹病院であり, 地域医療の中心, 救急医療の中心でもありうる」. 近年, 群馬においても前橋高崎に救命救急センターが整備され, 救急患者の受け入れ体制は充実してきた. 3次救急医療機関として, 当群馬大学の救急部においても平成9年の発足以来, 徐々に症例は増加してきており, 各科の協力体制のもと, 昨年はのべ3800人もの救急患者を受け入れてきた. 内容的には感冒切傷程度の1次救急患者から心肺蘇生を必要とする3次救急患者まであらゆる重症度の患者に幅広く対応している. 3次救急施設にとって常時病床を確保しておくことは責務であるが, HCU, ICUとも空床の確保が困...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2004-08, Vol.54 (3), p.278-278 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「地方の国立大学病院は地域の基幹病院であり, 地域医療の中心, 救急医療の中心でもありうる」. 近年, 群馬においても前橋高崎に救命救急センターが整備され, 救急患者の受け入れ体制は充実してきた. 3次救急医療機関として, 当群馬大学の救急部においても平成9年の発足以来, 徐々に症例は増加してきており, 各科の協力体制のもと, 昨年はのべ3800人もの救急患者を受け入れてきた. 内容的には感冒切傷程度の1次救急患者から心肺蘇生を必要とする3次救急患者まであらゆる重症度の患者に幅広く対応している. 3次救急施設にとって常時病床を確保しておくことは責務であるが, HCU, ICUとも空床の確保が困難で救急患者の受け入れを断念せざるを得ない事も実際にある. それを回避するのに3次救急のみに限定するという案もあるが, 誰が責任を持ってトリアージをするのかなどの問題もあり, 現実的にはなかなか難しい. また, 重症度の高い3次救急だけでなく, プライマリケアを中心に見る救急部門というものも若手の研修医にとっては重要な研修の場であると思われ, 大学病院を3次救急医療機関として限定する事が救急の初期研修施設として適切かという問題も出てくる. いずれにしろ, 大学病院では通常の救急診療を行いながら, 学生研修医の指導も行わなければならず, 現実的にはマンパワーが不足していると言わざるを得ない. 新たな人員の確保も必要であろう. 今後は, 1次2次医療機関とのより密な連携を取りつつ, スムーズな救急患者の受け入れ体制を取れるよう努めたい. |
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ISSN: | 1343-2826 |