9.自己決定が守られなかった一事例を通して学んだこと

終末期医療において看護師が倫理的な判断を迫られる場面は少なくない. 今回, 真剣に自分のことを考え, 自己決定し, 妻, 医療者に意思表明しているのに適切な支援ができず, ジレンマに陥った事例を体験した. A氏は, 50歳男性で, 胃癌術後, 食欲不振で再入院した. 毎日, 何もせず時間だけか経過することに耐えられず, 外泊, 退院を強く希望していた. 妻の意思を確認したところ, 「家で急変されるのは困る. 」と言い, 協力が得られる一日だけの外泊をした後, 家に帰ることはできなかった. A氏は自己決定を表明しているにもかかわらず, それが守られなかった, この事例を経験して終末期における医師...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2004-08, Vol.54 (3), p.254-254
Hauptverfasser: 千木良直子, 萩原智子, 荒由紀, 茂木麻弓, 五十嵐克子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:終末期医療において看護師が倫理的な判断を迫られる場面は少なくない. 今回, 真剣に自分のことを考え, 自己決定し, 妻, 医療者に意思表明しているのに適切な支援ができず, ジレンマに陥った事例を体験した. A氏は, 50歳男性で, 胃癌術後, 食欲不振で再入院した. 毎日, 何もせず時間だけか経過することに耐えられず, 外泊, 退院を強く希望していた. 妻の意思を確認したところ, 「家で急変されるのは困る. 」と言い, 協力が得られる一日だけの外泊をした後, 家に帰ることはできなかった. A氏は自己決定を表明しているにもかかわらず, それが守られなかった, この事例を経験して終末期における医師との見解の相違を感じながら, 看護師としてパイプ役の重要性と難しさを学んだ.
ISSN:1343-2826