2.血友病患者に対する冠動脈バイパス術の経験

血友病は先天的に血液凝固第VIll因子の凝固活性が欠乏する疾患で, 手術の際には出血対策が問題となる. 今回, 心臓外科領域での報告はまれな, 血友病患者に対する冠動脈バイパス術を経験したので報告する. 症例は75歳の血友病男性, 不安定狭心症の診断で入院した. 冠動脈造影でLAD#6 75%, LCX#11 90%, RCA#4 AV 75%と3枝病変を認めた. 術前に第VIll因子負荷試験を行い, その半減期から至適投与量を計算し, 周術期の第VIIl因子補充療法を行い, 無輸血で冠動脈バイパス術(CABG)(3枝)を施行し得た. 術後経過は良好で出血のイベントはなく, 術後32病日に軽快...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2004-02, Vol.54 (1), p.55-55
Hauptverfasser: 長谷川豊, 金子達夫, 江連雅彦, 相崎雅弘, 佐藤康広, 荻野隆史, 瀬田亨博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血友病は先天的に血液凝固第VIll因子の凝固活性が欠乏する疾患で, 手術の際には出血対策が問題となる. 今回, 心臓外科領域での報告はまれな, 血友病患者に対する冠動脈バイパス術を経験したので報告する. 症例は75歳の血友病男性, 不安定狭心症の診断で入院した. 冠動脈造影でLAD#6 75%, LCX#11 90%, RCA#4 AV 75%と3枝病変を認めた. 術前に第VIll因子負荷試験を行い, その半減期から至適投与量を計算し, 周術期の第VIIl因子補充療法を行い, 無輸血で冠動脈バイパス術(CABG)(3枝)を施行し得た. 術後経過は良好で出血のイベントはなく, 術後32病日に軽快退院した.
ISSN:1343-2826