7.高濃度テトラカインによる神経根ブロックが有効であった膀胱全摘術後の一症例

症例は68歳男性, 膀胱がんの診断で膀胱全摘術を受けた. 数回にわたり局所再発した会陰部腫瘍を摘出したが, 次第に体動時痛が増強し歩行困難となった, 体動時痛は両側Th12-L1領域に限局していたので, 局所麻酔剤による両側神経根ブロック(LDを施行した. 数日後, 再度体動時痛が出現したため, 高濃度(4%)テトラカインによる両側(Ll)神経根ブロックを施行した. ブロック後体動時痛が消失し, 歩行可能となった. その後, 腫瘍の浸潤により運動障害が出現するまでの2ヶ月間はMSコンチンョで疼痛コントロール可能であった. がん性疼痛では, 神経破壊薬を使用したブロックが行われることが多いが,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2004-02, Vol.54 (1), p.32-32
Hauptverfasser: 猿木信裕, 高橋利文, 家島仁史, 碓井正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は68歳男性, 膀胱がんの診断で膀胱全摘術を受けた. 数回にわたり局所再発した会陰部腫瘍を摘出したが, 次第に体動時痛が増強し歩行困難となった, 体動時痛は両側Th12-L1領域に限局していたので, 局所麻酔剤による両側神経根ブロック(LDを施行した. 数日後, 再度体動時痛が出現したため, 高濃度(4%)テトラカインによる両側(Ll)神経根ブロックを施行した. ブロック後体動時痛が消失し, 歩行可能となった. その後, 腫瘍の浸潤により運動障害が出現するまでの2ヶ月間はMSコンチンョで疼痛コントロール可能であった. がん性疼痛では, 神経破壊薬を使用したブロックが行われることが多いが, 長期の予後が予測され, 運動障害を避けたい場合には, 高濃度テトラカインによる神経根ブロックはがん性疼痛治療の選択肢の一つになる.
ISSN:1343-2826