13.センチネルリンパ節生検おける迅速病理診断上の問題点 偽陰性例より

当院では, センチネルリンパ節(SLN)生検結果によって腋窩郭清を省略するためのFeasibility Studyを, 37例(2002年9月一2003年5月)に施行した. 方法はRIと色素の併用法である. 現在このデータをもとに8月より郭清省略の実施を計画している. Feasibility Study全体の成績は, 同定率91.9%感度84.6%, 正診率94.1%, 偽陰性率15.4%である. このFeasibility Study中, 2例の偽陰性を経験したため, 今回リンパ節にサイトケラチンAE1/3の免疫染色を追加し検討した. 【症例1】51歳女T1, N0, M0. 原発巣:小葉癌...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2003-11, Vol.53 (4), p.432-432
Hauptverfasser: 柳田康弘, 小井田時廣, 木村盛彦, 杉原志朗, 小島勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院では, センチネルリンパ節(SLN)生検結果によって腋窩郭清を省略するためのFeasibility Studyを, 37例(2002年9月一2003年5月)に施行した. 方法はRIと色素の併用法である. 現在このデータをもとに8月より郭清省略の実施を計画している. Feasibility Study全体の成績は, 同定率91.9%感度84.6%, 正診率94.1%, 偽陰性率15.4%である. このFeasibility Study中, 2例の偽陰性を経験したため, 今回リンパ節にサイトケラチンAE1/3の免疫染色を追加し検討した. 【症例1】51歳女T1, N0, M0. 原発巣:小葉癌SLN摘出数:5個. SLN:術中迅速病理診断-0/5(転移なし), 永久標本病理診断-0/5(転移なし), サイトケラチン染色-0/5. Non-SLN:永久標本病理診断-1/15(1個転移あり), サイトケラチン染色-3/15(3個転移あり). SLNへの転移はサイトケラチンでも同定されず, SLNが同定できていない. 【症例2】52歳女性, T2, N0, M0. 原発巣:硬癌. SLN摘出数:4個. SLN:術中迅速病理診断-0/4(転移なし), 永久標本病理診断-2/4(2個転移あり), サイトケラチン染色-3/4. Non-SLN:永久標本病理診断-0/15(転移なし), サイトケラチン染色-0/15(転移なし). SLNへの微小転移のためHEでは同定できず, サイトケラチンで同定された. 【考察】SLN生検の偽陰性には, 症例1のSLN同定の問題と症例2の病理診断の問題がある. 全体が癌に置き換わったリンパ節は, RIと色素のみでは見逃されることがあり, 術中の触診も必要となる. リンパ節転移巣が腺管を形成しにくい小葉癌, 硬癌では, より注意深い観察が必要であり, 少なくとも永久標本では, サイトケラチン染色を付加すべきである.
ISSN:1343-2826