5.重症呼吸不全に胸部大動脈瘤破裂を併発した一例

症例:70歳男性. 主訴:発熱, 労作時呼吸困難既往歴:平成4年より慢性腎不全, 高血圧にて当院腎臓内科にて外来治療中. 平成12年虫垂炎, 腹腔内膿瘍にて当院外科にて手術. 家族歴:特記すべきことなし現病歴:平成14年3月29日~5月21日まで左肺炎にて当科入院. 抗生剤投与後も陰影残存し, 胸部CT上器質化肺炎疑いにて4月23日よりPSL30mg/日内服開始. その後胸部陰影改善し, PSL25mg/日内服にて退院その後5月下旬より全身倦怠感出現し, 5月31日より37.5℃の発熱, 労作時呼吸困難も出現したため, 6月1日当科外来受診. 胸部X-Pにて両側肺野浸潤影認め, またSpO26...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2003-05, Vol.53 (2), p.224-224
Hauptverfasser: 吉野麗子, 内藤陽一, 木暮勇人, 須田孝雄, 鈴木弘毅, 金古美恵子, 道又敏夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:70歳男性. 主訴:発熱, 労作時呼吸困難既往歴:平成4年より慢性腎不全, 高血圧にて当院腎臓内科にて外来治療中. 平成12年虫垂炎, 腹腔内膿瘍にて当院外科にて手術. 家族歴:特記すべきことなし現病歴:平成14年3月29日~5月21日まで左肺炎にて当科入院. 抗生剤投与後も陰影残存し, 胸部CT上器質化肺炎疑いにて4月23日よりPSL30mg/日内服開始. その後胸部陰影改善し, PSL25mg/日内服にて退院その後5月下旬より全身倦怠感出現し, 5月31日より37.5℃の発熱, 労作時呼吸困難も出現したため, 6月1日当科外来受診. 胸部X-Pにて両側肺野浸潤影認め, またSpO262%と著明な低下を認め, 入院となる. 入院時現症:体温37.3℃, 意識清明, 血圧138/54mmHg, 脈拍104/分整, 眼瞼結膜に軽度貧血を認める. 右側背部に湿性ラ音を聴取, 四肢に軽度チアノーゼを認める. 入院後経過:血液検査にてWBC9850/μl(neu95.8%, lym2.7%), CRP 14.6と炎症反応高値. BGAにてpH7.4 21, PaO2 27.1mmHg, PaCO2 27.8mmHg, HCO3- 17.7mmol/l, SaO2 51.2%と低O2, 低CO2血症を認めた. 同日挿管, 人工呼吸器管理となり, 重症肺炎に対し抗生剤, 抗真菌剤, γグロブリン製剤投与, ステロイドパルスを施行した. 6月4日胸部CTでは肺野全体にスリガラス状陰影を認め, 下肺野背側優位に浸潤影を認めた. 治療によりX-P上浸潤影の改善を認め, 血液検査上も改善認められていたが, 6月7日突然血圧低下, 徐脈となり, 心室細動生じ, DC行うも蘇生せず, 永眠された. 病理解剖にて両肺の線維化, 動脈硬化性の胸部大動脈瘤が認められ, 死因は胸部大動脈瘤破裂による失血死であった. 本症例はPSL内服による免疫力低下時に感染性肺炎を合併し, ARDSの病態を生じたものと考えられる.
ISSN:1343-2826