3.著明な骨・軟骨化生を伴う悪性葉状腫瘍の1例

症例は46歳, 女性. 数年前より左乳房にうずら卵大の腫瘤を自覚していたが, 最近になって急速増大したため当科を受診した. 左乳房CE領域に5.2×5.0cmの弾性硬で可動性比較的良好な分葉状の腫瘤を認めた. マンモグラフィでは, 比較的境界明瞭な分葉状の腫瘤陰影を認め, 石灰化は伴わなかった. 超音波検査では, 内部不均一で境界一部不明瞭な分葉状のlow echoic lesionが認められた. 腋窩リンパ節の腫脹はなかった. 穿刺吸引細胞診の結果はclass IIIであり, 葉状腫瘍の疑いで腫瘍摘出術を施行した. 病理組織学的には葉状構造を呈する腫瘍で, 高度な細胞異型を認め, 分裂像が多...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2003-05, Vol.53 (2), p.209-209
Hauptverfasser: 長沼りん, 二宮淳, 武井寛幸, 末益公人, 東靖宏, 井上賢一, 田部井敏夫, 黒住昌史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は46歳, 女性. 数年前より左乳房にうずら卵大の腫瘤を自覚していたが, 最近になって急速増大したため当科を受診した. 左乳房CE領域に5.2×5.0cmの弾性硬で可動性比較的良好な分葉状の腫瘤を認めた. マンモグラフィでは, 比較的境界明瞭な分葉状の腫瘤陰影を認め, 石灰化は伴わなかった. 超音波検査では, 内部不均一で境界一部不明瞭な分葉状のlow echoic lesionが認められた. 腋窩リンパ節の腫脹はなかった. 穿刺吸引細胞診の結果はclass IIIであり, 葉状腫瘍の疑いで腫瘍摘出術を施行した. 病理組織学的には葉状構造を呈する腫瘍で, 高度な細胞異型を認め, 分裂像が多く, 周囲脂肪織への浸潤を認めた. 腫瘍組織内には広範な骨軟骨肉腫様の成分が見られ, 破骨細胞も出現しており, 骨軟骨肉腫成分を伴う悪性葉状腫瘍と診断された. 以上のように, 悪性葉状腫瘍には線維成分の他に骨, 軟骨組織が見られることがあり, 極めて稀にその部分も肉腫様の像を呈することがある.
ISSN:1343-2826