2.大嚢胞を有した悪性葉状腫瘍の1例

今回我々は, 悪性葉状腫瘍内に大嚢胞を有した稀な症例を経験したので報告する. 症例は77歳女性. 主訴は左乳房腫瘤. 2002年1月頃左乳房腫瘤を自覚し, 5月頃より徐々に増大した. 7月より腫瘤が急激に増大したため近医受診し, 8月19日当院紹介受診. 視触診上左乳房全体を占める30×25cmの巨大な腫瘤を認め, 葉状腫瘍を疑い手術目的に当科入院となる. マンモグラフィで左乳房全体の濃度上昇, 超音波, MRIで左D領域を中心とする腫瘍を認め, その内部に巨大な嚢胞を形成していた, 充実部のcore needle biopsyで葉状腫瘍の診断. また嚢胞内容の穿刺吸引で暗赤色漿液性内容が95...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2003-05, Vol.53 (2), p.209-209
Hauptverfasser: 緒方杏一, 柳田康弘, 小井田時廣, 木村盛彦, 小島勝, 杉原志朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回我々は, 悪性葉状腫瘍内に大嚢胞を有した稀な症例を経験したので報告する. 症例は77歳女性. 主訴は左乳房腫瘤. 2002年1月頃左乳房腫瘤を自覚し, 5月頃より徐々に増大した. 7月より腫瘤が急激に増大したため近医受診し, 8月19日当院紹介受診. 視触診上左乳房全体を占める30×25cmの巨大な腫瘤を認め, 葉状腫瘍を疑い手術目的に当科入院となる. マンモグラフィで左乳房全体の濃度上昇, 超音波, MRIで左D領域を中心とする腫瘍を認め, その内部に巨大な嚢胞を形成していた, 充実部のcore needle biopsyで葉状腫瘍の診断. また嚢胞内容の穿刺吸引で暗赤色漿液性内容が950ml吸引された. 9月4日に全乳腺切除術を施行. 腫瘍は17×11×8cmであり, 病理学的検索にてmitotic index:2-3と核分裂像が多くmalignant phyllodes tumorと診断した. 壊死組織により嚢胞壁が形成されており, 腫瘍の急速な増大の原因は, 腫瘍内部の壊死による偽嚢胞形成と考えた.
ISSN:1343-2826