5.生体腎移植後に内側側頭葉てんかんを発症した1例

【症例】13歳, 女児【主訴】痙攣重積【既往歴, 家族歴】けいれんやてんかんの既往はない. 【現病歴】家族性若年性ネフロン瘍による慢性腎不全のため2001年4月父親をドナーとする血液型不適合生体腎移植を行った. 移植後6日にタクロリムスによると思われる白質脳症を合併し, MRI上白質病変が消失した後も両側海馬にT2強調およびFLAIR画像で高信号の器質病変が残った. 脳波に異常所見を認めなかった. 2002年7月全身性強直間代性痙攣が出現したが, MRIで新たな病変は無く, 脳波では左前側頭部に棘徐波複合を認め, 脳血流シンチでは左側頭葉に血流低下を認めた. 内側側頭葉てんかん(MTLE)の二...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2003-02, Vol.53 (1), p.80-80
Hauptverfasser: 井上貴博, 小林靖子, 渡部登志雄, 湯原幸弘, 森川昭廣, 羽鳥基明, 鈴木和浩, 山中英壽
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】13歳, 女児【主訴】痙攣重積【既往歴, 家族歴】けいれんやてんかんの既往はない. 【現病歴】家族性若年性ネフロン瘍による慢性腎不全のため2001年4月父親をドナーとする血液型不適合生体腎移植を行った. 移植後6日にタクロリムスによると思われる白質脳症を合併し, MRI上白質病変が消失した後も両側海馬にT2強調およびFLAIR画像で高信号の器質病変が残った. 脳波に異常所見を認めなかった. 2002年7月全身性強直間代性痙攣が出現したが, MRIで新たな病変は無く, 脳波では左前側頭部に棘徐波複合を認め, 脳血流シンチでは左側頭葉に血流低下を認めた. 内側側頭葉てんかん(MTLE)の二次性全般化を疑い経過観察したところ, 口部自動症と意識減損を伴う複雑部分発作が出現し, MTLEの診断で抗痙攣薬を開始した. 白質脳症発症時の痙攣重積か, タクロリムスによる海馬硬化によりMTLEを合併し, 直接, 間接にタクロリムスの関与が示唆された一例を報告する.
ISSN:1343-2826