13.術中迅速病理診断における石灰化病変を同定するための工夫

非触知の乳腺微小石灰化病変の病理診断は, ステレオタキティクマンモトームで行うことが理想的であるが, 高価な機器であり, あまり普及していない. そこで手術生検を行い, その結果により治療方針を決定することが多い. この術中迅速病理診断時に, 早く確実に石灰化病変を同定するために, 我々は金網を用いた方法を考案した. 【方法】今回用いた金網は, 5mmの目合のものを用い, 10cm角の網の2箇所にオリエンテーションのための屈曲をつけた. 1. 切除された乳腺標本を, 3箇所糸で網に固定し, そのまま軟線撮影する. 2. 軟線写真より石灰化病変のある網目の部位を決定し, 同部の切片から病理標本を...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (6), p.490-490
Hauptverfasser: 柳田康弘, 木村盛彦, 小井田時廣, 杉原志朗, 小島勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:非触知の乳腺微小石灰化病変の病理診断は, ステレオタキティクマンモトームで行うことが理想的であるが, 高価な機器であり, あまり普及していない. そこで手術生検を行い, その結果により治療方針を決定することが多い. この術中迅速病理診断時に, 早く確実に石灰化病変を同定するために, 我々は金網を用いた方法を考案した. 【方法】今回用いた金網は, 5mmの目合のものを用い, 10cm角の網の2箇所にオリエンテーションのための屈曲をつけた. 1. 切除された乳腺標本を, 3箇所糸で網に固定し, そのまま軟線撮影する. 2. 軟線写真より石灰化病変のある網目の部位を決定し, 同部の切片から病理標本を作製し病理診断を行う. 【結果】術中迅速病理診断で10例使用した. つくられたプレパラートは1-3枚であったが, 全例1枚目で石灰化病変が同定できた. 病理診断は5例が乳管癌, 3例が乳腺症, 2例が線維腺腫であった. 【結論】我々の工夫は, 微小な石灰化病変を確実に同定し, かつ時間を減少させ, 術中の迅速病理診断において, 非常に有用である.
ISSN:1343-2826