7.シクロホスファミドの併用が有効であった多発性筋炎に伴う間質性肺炎の1例
【症例】57歳, 男性. 【主訴】発熱咳嗽, 呼吸困難. 【既往歴】H5年3月, 間質性肺炎を指摘. H5年下句頃より, 多発関節痛, H6年2月より, 近位筋筋力低下が出現し, CPK値の上昇(2626)がみられ, H6, 当科入院;EMG, 筋生検所見, 抗, Jo1抗体(+)等より, PM, PM肺炎と診断され, PSL内服を開始した. 【現病歴】PSL内服量は, 徐々に漸減し, 最近1年間は, 12. 5mgにて, 症状は安定し, H13/12/19時, CPK値は, 235であった. 12/25頃より, 発熱, 呼吸困難が出現し, 12/29, 当科再診時, 胸部写真にて, 両下肺野...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (6), p.485-485 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【症例】57歳, 男性. 【主訴】発熱咳嗽, 呼吸困難. 【既往歴】H5年3月, 間質性肺炎を指摘. H5年下句頃より, 多発関節痛, H6年2月より, 近位筋筋力低下が出現し, CPK値の上昇(2626)がみられ, H6, 当科入院;EMG, 筋生検所見, 抗, Jo1抗体(+)等より, PM, PM肺炎と診断され, PSL内服を開始した. 【現病歴】PSL内服量は, 徐々に漸減し, 最近1年間は, 12. 5mgにて, 症状は安定し, H13/12/19時, CPK値は, 235であった. 12/25頃より, 発熱, 呼吸困難が出現し, 12/29, 当科再診時, 胸部写真にて, 両下肺野中心に間質影の増強を認めたため, 即日入院. 【入院時現症】身長170cm, 体重70kg. 体温38.5℃, 血圧120/90, 呼吸数24回/分. SpO290%023L下). 意識清明, 貧血, 黄疸なし. 呼吸速促, 両下肺野に, 軽度の乾性ラ音を聴取. 【入院時検査所見】(1)WBCl5220/μl(No89.5%), RBC493万/μl, Hb16.2g/dl, Plt23.6万/μl(2)CRP18.20(mg/dl), ESR70mm/h(3)T. P5.4(g/dl), Alb2.8(g/dl), γglb21.1%, 肝腎機能異常なし. CPK505(IU/1), Aldorase8.8(2.7-5.9IU/1)(4)C. ニューモニア抗体価(-), β-D-gulucan4.4(-20), CMVアンチゲネミア(-)(5)抗核抗体40未満, 抗, Jo1抗体2倍(1倍未満)(6)胸部X-p, CT;両下肺野主体に, 広範な汎小葉性のすりガラス影の拡がりが認められ, 辺縁部は濃淡不均一であった. 両側胸水影(+)(7)喀痰培養;常在菌のみ. 抗酸菌(-). (9)血ガス:pH7457. , PO2 43.6mmHg, PCO2 31.7mmHg, HCO3 22.4mmol/L, BE 0.1mmol/L, SaO2 86%(room air). 【入院後経過】以上の所見より, その原因は, はっきりしなかったが, 膠原病肺急性増悪と考えた. 入院後, 徐々に, 呼吸困難, 間質影が増悪したため(0215L投与下, SpO285%), H13/12/31より, パルス療法(メチルプレドニン1g×3日)を施行した. その後, 間質影の改善がみられたため, PSL60mg投与に漸減し, 02投与量も漸減でき, 1月中句には, 4L下SpO294%まで改善化がみられた. しかし, H14/1/19より, 再び, 呼吸困難の再増悪(0213L下にて, SpO290%)が出現し, 画像上も, 間質影の再悪化が認められたため, エンドキサン50mgの経口投与を併用した. その後は, 順調に, 症状, 画像所見の改善がみられ, 02投与量も漸減でき2月中旬には中止できた. 又, PSL投与量も, 徐々に漸減できた. 尚, KL6値は, 661(12/29)→2229(2/4)→1680(3/4)→1470(4/8)と推移した. 【考察】(1)筋炎に対してはステロイドが有効であったにも関わらず, その経過中に, 突然発熱, 咳嗽が出現し, 間質性肺炎の増悪を認めた多発性筋炎の一例を経験した. (2)間質性肺炎の増悪に対し, ステロイドパルス療法は, 一時的には効果があったが, 漸減過程で再増悪を認め, シクロフォスファミドの併用により, 再増悪の抑制, ステロイド漸減が可能となった. (3)KL-6は, 間質性肺炎の増悪時より上昇を認めたが, 臨床経過上, 病勢とそのピーク時に時相のズレが認められた. 但し, その後は臨床経過を反映しており, 治療効果をみる上で, 有用なマーカーの一つであったと考えられた. |
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ISSN: | 1343-2826 |