2.乳腺病変におけるp63および14-3-3蛋白発現の検討
【はじめに】p63蛋白はp53蛋白と相同性を有し, p53転写活性調節ドメインの欠損したsubtypeがあり, p53に抑制的に働くと考えられ, 14-3-3σ蛋白はp53の下流にある多機能蛋白で, G2細胞周期停止やアポトーシスなどに関与すると考えられている. 乳腺においては, 近年両者とも筋上皮に強く発現するとの知見が得られており, p63と乳腺stem cellとの関係や14-3-3σの発現の消失と乳癌の初期発生との関係が報告されている. つい最近estrogen target geneであるestrogen-responsive fingerやrotein(efp)の発現を介した14-...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (5), p.426-427 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】p63蛋白はp53蛋白と相同性を有し, p53転写活性調節ドメインの欠損したsubtypeがあり, p53に抑制的に働くと考えられ, 14-3-3σ蛋白はp53の下流にある多機能蛋白で, G2細胞周期停止やアポトーシスなどに関与すると考えられている. 乳腺においては, 近年両者とも筋上皮に強く発現するとの知見が得られており, p63と乳腺stem cellとの関係や14-3-3σの発現の消失と乳癌の初期発生との関係が報告されている. つい最近estrogen target geneであるestrogen-responsive fingerやrotein(efp)の発現を介した14-3-3σ蛋白溶解の機序が報告された. 種々の乳腺病変における蛋白の発現を検討し, 組織学的所見や細胞分化の立場からactin, keratin14, keratin18などを, またestrogen関連蛋白としてestrogenreceptor(ER), progesterone receptor(PgR), 細胞周期関連蛋白としてp53, cyclinD1などを免疫染色し, 対比検討した. 【材料と方法】群大病院で摘出された乳腺病変(乳頭腫10例, 非浸潤性乳管癌(DCIS)12例, 浸潤癌29例)について, 抗p63(NeoMarkers)及び14-3-3σ(IBL)抗体を使用し, 通常の切片を, 抗原活性化処置を行いABC法で染色した. 【結果と考察】p63は正常小葉の筋上皮の核に存在し, 乳頭腫やDCISにおいても同様で, 浸潤癌では残存する筋上皮核以外に染色されなかった. 14-3-3蛋白は主に筋上皮の細胞質に強い発現があり, DCISでも同様であった. まれに乳頭腫の管腔上皮細胞の一部(主にkeratin14陽性細胞)に発現した. 浸潤癌では両蛋白の発現は一部の腫瘍(それぞれ3例, 扁平上癌やadenoid cystic carcinoma)を除いて強い発現は認められなかった. 部分陽性も含めた乳癌の検討から, 14-3-3蛋白発現と扁平上皮への分化p63発現と基底細胞への分化が示唆されたまた14-3-3蛋白発現はER陰性群に多く, ERとの負の相関が示唆された. |
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ISSN: | 1343-2826 |