8.胃静脈瘤に対するB-RTO施行例の長期予後に対する検討
【目的】肝疾患患者で胃静脈瘤を認めた患者のうち, 1996~2001年までに当院でBalloon occluded retrograde obliteration(以下B-RTO)を施行した患者71名中, 内視鏡的に経過観察した39例を対象とし, 治療後の静脈瘤の変化を中心に検討した. 【対象】患者は男性21例, 女性18例, 平均年齢は60.9歳(34~78). 背景肝はLC(B)2例, LC(C)26例, LC(nBnC)3例, アルコール7例, PBC1例. 食道静脈瘤は30例にみられ(F1:17, F2:12, F3:1), B-RTO前に15例は治療を行っていた. 胃静脈瘤はF1:4...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (5), p.414-414 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】肝疾患患者で胃静脈瘤を認めた患者のうち, 1996~2001年までに当院でBalloon occluded retrograde obliteration(以下B-RTO)を施行した患者71名中, 内視鏡的に経過観察した39例を対象とし, 治療後の静脈瘤の変化を中心に検討した. 【対象】患者は男性21例, 女性18例, 平均年齢は60.9歳(34~78). 背景肝はLC(B)2例, LC(C)26例, LC(nBnC)3例, アルコール7例, PBC1例. 食道静脈瘤は30例にみられ(F1:17, F2:12, F3:1), B-RTO前に15例は治療を行っていた. 胃静脈瘤はF1:4, F2:20, F3:15であり, 予防例21例, 待機例13例(治療まで平均15.2日), 緊急例5例であった. 【結果】平均観察期間29.1ヶ月(4~69), B-RTOの手技的成功率は87.2%, 胃静脈瘤の消退を認めたものは89.7%であった. 死亡例7例のうち, 胃静脈瘤が主因と考えられる死亡は3例(7.7%)あり, 全例緊急例であった. また, 胃静脈瘤再発を来した2例は吐血を契機に発見され, ともにHCCVp3症例であることから門脈塞栓による側副路血流の増悪が再発に関与したと考えられた. 食道静脈瘤は治療後に増悪したものが38.2%にみられたが, 内視鏡的に治療し得ることができ死亡例は認めていない. 【結語】B-RTOにより約90%で胃静脈瘤の消退を認め, 再発はわずか2例と有効な治療法といえる. さらに, PTOを併用したSO-PTO(Shunt occluded-PTO)を用いることで治療効果のさらなる向上が期待される. |
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ISSN: | 1343-2826 |