8.非小細胞肺癌における放射線療法と化学療法(CDDP+DOC)の同時併用療法の経験

【背景および目的】局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)では化学療法と胸部放射線照射の併用(chemoradiotherapy)が現在の標準治療であり, 近年同時併用(concurrent)の化学療法後の放射線照射(sequential)に対する優位性が確認された. 2000年ASCOではCDDP+DOCと放射線同時併用療法の第1/II相試験で安全性と有効性が報告された. 今回我々は9例の非切除NSCLCに対しCDDP+DOCと放射線同時併用療法を施行したので, その結果を報告する. 【対象と方法】対象は未治療例で組織学的に診断が確定した手術不能NSCLCの9例. PSは0-2, 年齢は54-80...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (4), p.327-327
Hauptverfasser: 青木望, 中川純一, 青木史暁, 青木康弘, 前野敏孝, 前野有里, 須賀達夫, 山洞善恒, 倉林正彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【背景および目的】局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)では化学療法と胸部放射線照射の併用(chemoradiotherapy)が現在の標準治療であり, 近年同時併用(concurrent)の化学療法後の放射線照射(sequential)に対する優位性が確認された. 2000年ASCOではCDDP+DOCと放射線同時併用療法の第1/II相試験で安全性と有効性が報告された. 今回我々は9例の非切除NSCLCに対しCDDP+DOCと放射線同時併用療法を施行したので, その結果を報告する. 【対象と方法】対象は未治療例で組織学的に診断が確定した手術不能NSCLCの9例. PSは0-2, 年齢は54-80歳, 臨床病期はIIB:2例, IIIA:3例, IIIB:2例, IV:2例で, 何れも照射範囲内の腫瘍制御が生存に寄与すると予想された症例である. ASCOの報告に則りCDDP40mg/m2+DOC40mg/m2をday1, 8, 29, 36に投与することを目標とし, 放射線はday1より1回2Gy, 週5回, 総線量60~68Gy照射した. 【結果】1例が発熱, PSの低下より途中脱落した. 2例はPS不良のため当初よりCDDP, DOCの投与量を30mg/m2に減量した. 脱落例を含むCDDP/DOCのdoseintensityは各々82%/82%であった. 脱落例を除く8例の照射線量は58~68Gyであった. 副作用はWBC減少(6例), 食欲低下(6例), 体重減少(3例), 食道炎(3例), 放射性肺炎(1例), PSの低下(1例), 吃逆(3例)であった. Gr3以上の副作用はWBC減少(2例), 食欲低下(3例)であった. 効果はPR7例, CRl例, 評価不能1例(途中脱落)であった. 【考察】切除不能NSCLCに対するDOC+CDDPと放射線同時併用療法は, 治療必要期間が6週間と短く, かつ高い奏効率が得られ有用性が高いと考えられた. ただし, 高齢者やPS2症例ではDOC, CDDPの投与量に関する再考が必要と考えられた.
ISSN:1343-2826