急速な呼吸不全の進行を呈した膵癌びまん性肺転移の一例

症例は63歳の女性. 紹介1ヶ月前に咳嗽にて発症. 両肺野で末梢優位のびまん性小粒状影を認め, 抗菌剤, 更にステロイドホルモン投与にも関わらず, 呼吸状態が増悪し当院紹介となった. 患者は2年前に糖尿病を指摘され, 紹介約2ヶ月前より血糖コントロールが不良となり, そのため近医入院中であった. 入院時は肺雑音を聴取せず, 炎症反応は軽度で発熱も認められなかった. 腫瘍マーカーでCA19-9が731U/mlと異常高値を示し, CTERCPにて膵鈎部腫瘍の所見を認めたため, 転移性肺癌を疑い, TBLBを施行した. 患者は急速に進行する呼吸不全で治療を行うことなく死亡されたが, 膵癌肺転移の病理...

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Hauptverfasser: 小野昭浩, 斉藤和子, 中村久美子, 三輪好宏, 清水泰生, 角田毅, 桑原英眞, 本間学
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は63歳の女性. 紹介1ヶ月前に咳嗽にて発症. 両肺野で末梢優位のびまん性小粒状影を認め, 抗菌剤, 更にステロイドホルモン投与にも関わらず, 呼吸状態が増悪し当院紹介となった. 患者は2年前に糖尿病を指摘され, 紹介約2ヶ月前より血糖コントロールが不良となり, そのため近医入院中であった. 入院時は肺雑音を聴取せず, 炎症反応は軽度で発熱も認められなかった. 腫瘍マーカーでCA19-9が731U/mlと異常高値を示し, CTERCPにて膵鈎部腫瘍の所見を認めたため, 転移性肺癌を疑い, TBLBを施行した. 患者は急速に進行する呼吸不全で治療を行うことなく死亡されたが, 膵癌肺転移の病理組織診断が得られた. 転移性肺癌としては非常に希な画像所見であり報告した. また経過から, 今後の臨床上も示唆に富む症例と考えられた.
ISSN:1343-2826