7.未分化神経外胚葉腫瘍(PNET)に対する自家末稍血幹細胞移植(A-PBSCT)組み込み集学的治療の経験
右肋骨原発の未分化神経外胚葉腫瘍(PNET)の13歳男子に対して自家末稍血幹細胞移植(A-PBSCT)組み込みの集学的治療を施行した. 原発巣は右第10肋骨で, 初診時の腫瘍径は手拳大, 胸壁から肝臓への圧迫所見は認められなかった. 遠隔転移は証明されなかった. 小児PBSCT研究会のEwing肉腫/PNET治療プロトコールに従い, 初期治療としてvincristine, cyclophoshamide, THP adriamycin, ifosphamide, etoposideの多剤併用化学療法を4コース施行後, 腫瘍の縮小を認め, 原発巣の全摘術を施行. さらに術後照射40Gyを行い,...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (2), p.164-165 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 右肋骨原発の未分化神経外胚葉腫瘍(PNET)の13歳男子に対して自家末稍血幹細胞移植(A-PBSCT)組み込みの集学的治療を施行した. 原発巣は右第10肋骨で, 初診時の腫瘍径は手拳大, 胸壁から肝臓への圧迫所見は認められなかった. 遠隔転移は証明されなかった. 小児PBSCT研究会のEwing肉腫/PNET治療プロトコールに従い, 初期治療としてvincristine, cyclophoshamide, THP adriamycin, ifosphamide, etoposideの多剤併用化学療法を4コース施行後, 腫瘍の縮小を認め, 原発巣の全摘術を施行. さらに術後照射40Gyを行い, 術後化学療法6コース施行後, A-PBSCT施行した. 前処置はcarboplatin+etoposide+melpharanで行い, 移植細胞数は4.2×106/kg CD34cellsで, RRTとしては粘膜障害, 電解質異常などが見られたが, いずれも輸液などで対処可能であった. 移植後day+11に好中球>500μlとなり, 生着を確認. RRTも経時的に改善した. Ewing肉腫, PNETなどEwing sarcoma family of tumors(ESFT)の治療成績は近年, 移植併用の超大量化学療法の導入で改善しつつあるが, 依然として遠隔転移例などの予後は満足すべきものではない. 治療の成功のためには徹底的な局所コントロールと全身のmicrometastasisに対する強力な化学療法が必須である. 本プロトコールはこれまでの諸家の報告と比較しても最も強力なものであり, 各科の協力体制が治療成功のために重要であると思われた. |
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ISSN: | 1343-2826 |