3.大腸癌細胞株リンパ節転移におけるCD44の作用についての検討

【目的】大腸癌細胞株のリンパ節転移におけるCD44の作用について直腸同所性移植リンパ節転移モデルと大腸粘膜下組織との接着実験により検討した. 【方法】マウス大腸癌細胞株colon26とlipofection法によってmouseCD44遺伝子を導入したcolon26-CD44について, 直腸同所性移植リンパ節転移モデルを用いて比較した. また, 大腸粘膜下組織(ヒアルロン酸を保存して固定)との接着能について検討した. 【結果】直腸同所性移植リンパ節転移モデルでは, 移植後3週後でのリンパ節転移に差は認めなかった. 一方, 大腸癌細胞と大腸粘膜下組織との接着はCD44抗体で抑制された. 【考察】直...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (2), p.157-158
Hauptverfasser: 森永暢浩, 浅尾高行, 桑野博行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】大腸癌細胞株のリンパ節転移におけるCD44の作用について直腸同所性移植リンパ節転移モデルと大腸粘膜下組織との接着実験により検討した. 【方法】マウス大腸癌細胞株colon26とlipofection法によってmouseCD44遺伝子を導入したcolon26-CD44について, 直腸同所性移植リンパ節転移モデルを用いて比較した. また, 大腸粘膜下組織(ヒアルロン酸を保存して固定)との接着能について検討した. 【結果】直腸同所性移植リンパ節転移モデルでは, 移植後3週後でのリンパ節転移に差は認めなかった. 一方, 大腸癌細胞と大腸粘膜下組織との接着はCD44抗体で抑制された. 【考察】直腸同所性移植リンパ節転移モデルにおいてリンパ節転移が進行した段階では, colon26とcolon26-CD44では差は認めなかった. しかし, 粘膜下組織と癌細胞との接着にはCD44が関与していると考えられることから, 大腸癌のリンパ節転移の初期(粘膜下組織を離れリンパ管に侵入する段階)においては, CD44の発現が抑制的に働いている可能性がある. 現在, 早期の段階での検討を試みている.
ISSN:1343-2826