11.骨髄転移を来たした異時性両側乳がんの1例
乳がん骨転移の多くは溶骨または造骨型を示しその診断は通常画像検査により可能である. 今回提示する症例は, 腫瘍マーカーの著しい増加にも拘わらず画像診断で転移巣が確認できず, 汎血球減少を契機として骨髄生検にて骨髄転移と診断された稀な例である. 症例は41歳, 閉経前. 1992年7月左乳がんT2N0M0にてBt+Ax+Mnを施行. 術後UFT+TAMが投与された. 3年後局所再発が出現したため, 切除+照射さらにZoladexを3年投与した. 1999年2月対側右乳がんT2N1M1(皮膚)を認め, Bt+Ax, および皮膚転移巣切除を施行した. リンパ節転移著明であったためCEFを5サイクル施...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2002, Vol.52 (2), p.147-148 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳がん骨転移の多くは溶骨または造骨型を示しその診断は通常画像検査により可能である. 今回提示する症例は, 腫瘍マーカーの著しい増加にも拘わらず画像診断で転移巣が確認できず, 汎血球減少を契機として骨髄生検にて骨髄転移と診断された稀な例である. 症例は41歳, 閉経前. 1992年7月左乳がんT2N0M0にてBt+Ax+Mnを施行. 術後UFT+TAMが投与された. 3年後局所再発が出現したため, 切除+照射さらにZoladexを3年投与した. 1999年2月対側右乳がんT2N1M1(皮膚)を認め, Bt+Ax, および皮膚転移巣切除を施行した. リンパ節転移著明であったためCEFを5サイクル施行した. 2000年1月よりCAl5-3が増加し5月には5,200U/mlとなった. この間CT, 骨シンチを繰り返したが転移巣を検出できなかった. その後汎血球減少を認めたため, 骨髄生検を行ったところ, 乳がんの骨髄転移と診断された. この時点で他の転移巣は認めなかった. 化学療法によりCA15-3は一時的に減少したが, 骨髄機能は回復せず, 診断より1年後には癌死となった. 乳がん骨髄単独転移の報告例は少なく, 最近ではMRIがその診断に有用であると報告されている. |
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ISSN: | 1343-2826 |