Motor neuron diseaseを伴ったspinocerebellar ataxia type6の1剖検例

症例:死亡時64歳女性. 57歳時に, 構音障害と失調性歩行で発症. 父(87歳で死亡)に歩行失調あり. 58歳初診時, 眼振, 失調性言語, 左下肢の筋力低下, 四肢体幹の失調を認めた. 筋力低下は進行性で, 1年後には這って移動し, 2年後には両上肢の挙上が困難となった. 61歳時に呼吸不全を来し, 気管切開して人工呼吸器の使用を開始した. 64歳時, 四肢は完全麻痺で, 舌は高度に萎縮し発語不能. 膀胱直腸障害や起立性低血圧はなし. 遺伝子診断でSCA6(14/24 CAG repeats)と診断された. 急性循環不全で死亡. 剖検所見1固定前脳重は920g. 肉眼的に小脳の萎縮が明瞭で...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2001, Vol.51 (6), p.414-415
Hauptverfasser: 大原慎司, 岩橋輝明, 大出貴士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:死亡時64歳女性. 57歳時に, 構音障害と失調性歩行で発症. 父(87歳で死亡)に歩行失調あり. 58歳初診時, 眼振, 失調性言語, 左下肢の筋力低下, 四肢体幹の失調を認めた. 筋力低下は進行性で, 1年後には這って移動し, 2年後には両上肢の挙上が困難となった. 61歳時に呼吸不全を来し, 気管切開して人工呼吸器の使用を開始した. 64歳時, 四肢は完全麻痺で, 舌は高度に萎縮し発語不能. 膀胱直腸障害や起立性低血圧はなし. 遺伝子診断でSCA6(14/24 CAG repeats)と診断された. 急性循環不全で死亡. 剖検所見1固定前脳重は920g. 肉眼的に小脳の萎縮が明瞭であるが, 橋の大きさは保たれている. 延髄錐体は萎縮性. 小脳矢状断では, 小脳萎縮は虫部上半部で最も強い(図1). 小脳の組織所見では, 虫部と半球上半部でPurkinje細胞がより高度に脱落し, 皮質変性も強い. 白質はグリオーシス, 歯状核は保たれている. 橋は被蓋, 底部ともに保たれている. 延髄では, 下オリーブ核に神経細胞の脱落とグリオーシスを認め, 吻背側に強い.
ISSN:1343-2826