消化器癌におけるp53 pathwayの異常の有効な判定法

【背景】消化器癌においてはp53の異常を半数以上に認め, その判定は腫瘍の悪性度の評価や併用療法の効果予測に重要であるが, 臨床応用にはより正確かつ簡便な判定方法が必要である. 【対象と方法】食道癌切除症例75例の切除標本を対象とし, p53:clone DO7及びclonePab240, p21, MDM-2の免疫染色を行い, DO7の染色性よりA群:40%以上陽性, B群:40%未満陽性, C群:非染色に分類した. また胃癌10例, 大腸癌10例も同時に判定を行った. 【結果】1)DO7ではA群33例(44.0%)で, うち32例(97%)がPab240陽性であった. B群は16例(21....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 増田典弘, 加藤広行, 尾嶋仁, 宮崎達也, 吉川美奈子, 浅尾高行, 桑野博行
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【背景】消化器癌においてはp53の異常を半数以上に認め, その判定は腫瘍の悪性度の評価や併用療法の効果予測に重要であるが, 臨床応用にはより正確かつ簡便な判定方法が必要である. 【対象と方法】食道癌切除症例75例の切除標本を対象とし, p53:clone DO7及びclonePab240, p21, MDM-2の免疫染色を行い, DO7の染色性よりA群:40%以上陽性, B群:40%未満陽性, C群:非染色に分類した. また胃癌10例, 大腸癌10例も同時に判定を行った. 【結果】1)DO7ではA群33例(44.0%)で, うち32例(97%)がPab240陽性であった. B群は16例(21.3%)で, 12例(75%)がPab240陰性であり, C群は26例(37.1%)で, Pab240陽性はなかった. 2)MDM-2かつp21過剰発現を12例に認め, 全例Pab240陽性であった. Pab240DO7p21MDM-2同時陰性例は5例(6.7%)であった. また胃癌, 大腸癌におけるDO7, Pab240の染色性も同様であった. 【まとめ】p53cloneDO7及びPab240, p21, MDM-2の免疫染色は, 消化器癌におけるp53 statusのより簡易かつ正確な解明に有効な手段である.
ISSN:1343-2826