5. 食道癌術後に発生した胃管癌の1手術例

食道癌術後に発生した進行胃管癌に対して, 胸骨縦切開アプローチで胃管全摘を施行した1手術例を経験したので報告する. 症例は63歳, 男性で, 既往歴は1992年5月にEiEaの3型進行食道癌の診断で当科でELF-P2クール施行し, 80%のPRを得て, 同年8月, 右開胸開腹食道亜全摘三領域郭清, 胸骨後胃管再建術を施行した. 病理組織診断はwell differentiated squamous cell carcinoma. PL0, M0, n2(+), a0, ie(+), ly(+), v(-). 平成11年8月, 事故で近医入院した際に貧血を認めた. 精査目的の上部消化管内視鏡検査...

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Veröffentlicht in:The KITAKANTO Medical Journal 2000, Vol.50 (5), p.456-457
Hauptverfasser: 小林光伸, 須納瀬豊, 小山透, 木村知恵理, 笠原群生, 川手進, 富沢直樹, 川島吉之, 竹吉泉, 大和田進, 森下靖雄, 荒井剛, 東郷庸史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:食道癌術後に発生した進行胃管癌に対して, 胸骨縦切開アプローチで胃管全摘を施行した1手術例を経験したので報告する. 症例は63歳, 男性で, 既往歴は1992年5月にEiEaの3型進行食道癌の診断で当科でELF-P2クール施行し, 80%のPRを得て, 同年8月, 右開胸開腹食道亜全摘三領域郭清, 胸骨後胃管再建術を施行した. 病理組織診断はwell differentiated squamous cell carcinoma. PL0, M0, n2(+), a0, ie(+), ly(+), v(-). 平成11年8月, 事故で近医入院した際に貧血を認めた. 精査目的の上部消化管内視鏡検査で胃管小弯に3型の腫瘍を認め, 生検でadenocarcinomaと診断された. 同年11月, 手術目的で当科紹介となった. 胃管造影では約6cmにわたる胃管壁の不整, 陰影欠損を認めた. 胸部CTで胃管小弯中心に約半周性の壁の肥厚を認めた. 以上より再建胃管の3型進行癌の診断で手術を施行した. 手術は正中開腹に胸骨下部縦切開を加え, 胃管全摘, リンパ節郭清を施行し, 左側結腸distal pouchで再建した. 手術診断はMC, T3(SE), N1, H0, P0, StageIIIaであった. 摘出標本の病理組織診断はpor, ss, INFγ, ly3, v2, n 1, stageIIであった. 術後は良好に経過し, 術後33日に退院した. 食道癌切除後胃管癌は症状が出にくく, 発見が遅れるため進行例が多く, 予後不良である. 早期胃管癌では手術侵襲も考え内視鏡的治療も視野に入れるが, 進行癌では全身状態が許せば, 根治的手術が望ましい. 自験例では胸骨縦切開を付加し, 充分なリンパ節郭清を施行し得た.
ISSN:1343-2826