9. 再発乳癌のゴセレリン使用症例に対する腹腔鏡下両側卵巣摘出術の経験

腹腔鏡下手術の普及によって, 乳癌に対するホルモン療法としての卵巣摘出術は, その意義が見直されてきた. 今回, 閉経前再発乳癌のLH-RHアナログ(ゴセレリン)使用症例に対し腹腔鏡下両側卵巣摘出術を施行したので, その手技と卵巣所見について報告する. (症例)1990年2月左乳癌のため前医にて手術施行. 充実腺管癌, t2, n1α, m0:stage 2, ER陽性, PgR陽性. TAM, UFT2年間投与. 1994年6月より胸骨, 右鎖骨転移のため外照射. 1996年8月AC療法1コースのみ施行. 以後LH-RHアナログとUFT投与. 1998年2月転居のため当院受診. 同治療を続行...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2000, Vol.50 (3), p.335-335
Hauptverfasser: 柳田康弘, 木村盛彦, 小井田時廣, 児島高寛, 深井康幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腹腔鏡下手術の普及によって, 乳癌に対するホルモン療法としての卵巣摘出術は, その意義が見直されてきた. 今回, 閉経前再発乳癌のLH-RHアナログ(ゴセレリン)使用症例に対し腹腔鏡下両側卵巣摘出術を施行したので, その手技と卵巣所見について報告する. (症例)1990年2月左乳癌のため前医にて手術施行. 充実腺管癌, t2, n1α, m0:stage 2, ER陽性, PgR陽性. TAM, UFT2年間投与. 1994年6月より胸骨, 右鎖骨転移のため外照射. 1996年8月AC療法1コースのみ施行. 以後LH-RHアナログとUFT投与. 1998年2月転居のため当院受診. 同治療を続行. LH-RHアナログ計28回施行. LH-RHアナログの使用中止を経済面より希望され, 8月4日腔鏡下両側卵巣摘出術を施行した. 【手技】全身麻酔下, 臍下部にブラントポートを挿入し気腹. 骨盤高位にして下腹部に操作用鉗子用ポートを2本入れる. 右卵管を把持し, 子宮広間膜を切開. 卵管にクリップをかけ切離. 下腹部正中に10mmポートを追加しEndoGIAにて卵巣子宮靱帯, 卵巣動脈を切離した. 左側にも同様の操作を加え, 止血を確認後臍下部のブラントポート部より両付属器を摘出した. 第5病日に退院. 【病理所見】卵巣は左右それぞれ3.5g, 5.1gと縮小. 病理所見では卵胞組織や黄体組織を認めるが白体が目立つ萎縮性卵巣であった. 【考察・結語】閉経前のエストロゲン感受性再発乳癌に対するLH-RHアナログは, 半永久的に必要となる. このような症例に腹腔鏡下両側卵巣摘出術は適応と考える. またLH-RHアナログ使用後の卵巣は, 同年代のコントロールに比較して萎縮性であった.
ISSN:1343-2826